警告!この記事を読んではいけない43「銃」について10<艦載砲>
今日は、砲を船に乗せるというお話をしようと思います。前回の記事では、➀ 砲は強力である。② 固定砲台と移動砲台がある。③ 移動砲台では、砲を自動車、船、飛行機などに載せる。④ 砲は本来、固定された位置から動かない目標を狙うと、当たりやすい。⑤ 固定された砲からでも、動く目標を狙うと、命中精度が落ちる。⑥ 自分が動きながら、動く目標を狙うと更に命中精度が落ちる。
などというお話をしました。砲を自動車に積んだものを戦車という、というお話しもしました。今日は、砲を船に載せる、と言うお話しです。
砲が移動能力を持つということ
砲は強力です。砲弾が狙い通りに当たれば、敵は木端みじんです。痛快!!もしも砲が、人間が足を持つように、移動能力を持ったらどうでしょう? 砲が自分の足で歩いて、自由にどこへでも行けるようになったら、これは、恐ろしい兵器になりますね!だって、砲台は動かないからそんなに恐くないですけど、砲台が自分の足で動いて、どこからでも撃てるようになったら、そりゃあ恐いです!早く逃げた方がいいです。立ち向かったりしたら、自分が殺されちゃいますよ。
アニメや映画などでは、強力な敵に立ち向かう主人公が、カッコよく描かれたりしていますが、あれ、あくまで物語ですからね。実際の戦闘ではあんなふうに不用意に立ち向かうと、たちまち殺されて終わりです。ガンダムでもシャアがララアに言ってたぢゃないですか。「よく見ておくのだな、実際の戦争は、ドラマのように格好の良いものではない」って。
そうして砲は、自動車に載りました。これが戦車です。そうして砲は、船にも載りました。これが戦闘艦です。戦闘艦とひとくくりにしちゃいましたが、種類は実にたくさんです。砲は大きくて重いです。載せるには大きな船が必要です。大きな順に、おおざっぱに種類分けしますと、
➀ 超弩級戦艦 ② 大型戦艦 ③ 戦艦 ④ 重巡洋艦 ⑤ 巡洋艦 ⑥ 駆逐艦 などなどですが、この他に砲艦、水雷艇などと呼ばれる戦闘艦もあります。そして忘れてならないらし空母と潜水艦です。空母と潜水艦には、砲らしい砲は積まれていないんですが、それだけに戦闘艦としては、特殊な部類なんです。そこでまず空母と潜水艦についてお話ししたいと思います。
空母
空母は略称で、正式名称は「航空母艦」です。その名の通り、航空作戦の母艦となる船です。航空作戦とは、飛行機を使う作戦です。飛行機は、飛行場からしか発進できません。広い土地がないと、飛行機って飛び上がれないんです。最近はVTOL機と言って、垂直に離陸できる飛行機もありますが、多くの飛行機は、長い滑走路がないと、飛び上がれないんです。
誰が考え出したのか知りませんが、この「飛行場」を動けるようにしちゃったのが「空母」です。飛行場が自分で動いて、飛行機を自由に離発着できるようにしちゃったんです。物凄い兵器ができちゃいました。なんせ飛行場が自分で動いちゃうんです。なんと言いますか、無敵ですね。
本当は、航空母艦は19世紀からすでにありました。しかし最初は、気球を積んで、それに爆弾を積んで、敵地で落とそうというものでした。上手くいかなかったようですが。そのうち水上機・・・これは降着装置が車輪ではなく、水に浮く大きなフロートが付いている飛行機で、水上から発進して水上に着水する飛行機・・・を載せるようになり、これを、航空母艦と呼んでいたんです。
そのうち陸上機を載せるようになりましたが、初期の空母は、離艦はできても、着艦はできませんでした。そのうち着艦までできる空母と飛行機が開発され、今の空母の形になったのです。
空母は動く飛行場です。相当な速力が出ますが、飛行機に比べると、まるでウサギとカメのような速力差です。空母は絶大な戦力ですが、だからこそ、敵はまず空母を沈めようとします。空母は沈むと、絶大な戦力を失うので、沈まないように防御を固める必要があります。
空母を沈めようとする兵器は、飛行機で運ばれてきます。なので、対空兵装を装備します。空母を沈めようと、飛行機が魚雷やミサイルを持ってきたら、まずその飛行機を落とそうとします。これには、哨戒機を飛ばして、この哨戒機からミサイルを撃つ方法もありますが、基本は哨戒機やレーダーの情報を基に敵の場所にミサイルや、バルカンファランクスを撃つ方法です。
ミサイルは妨害電波でかく乱される恐れがあるため、現代の空母の対空兵装は、主にバルカンファランクスです。これは、機関砲の一種です。М61と言う対空機関砲です。銃身が6本あり、これを高速回転することによって、1銃身からの発射速度が小さくても、その6倍の発射速度が出せるのです。
具体的にはМ61の発射速度は毎分6000発、つまり1秒間に100発の弾丸を撃ちだせるのです。1秒に100発です。これだけの弾数が飛んでくるととんでもない戦力です。これ、弾幕と言います。この凄まじい数の砲弾で、敵の飛行機や、飛んでくるミサイルなどを打ち落とそうというのです。
空母には、このМ61が、最低でも前後に一つずつ付いています。多くの空母では、更に一つ増えて、合計3基のМ61で、空母を守っています。空母には大口径の砲はありません。大口径で威力が大きくても、1発ずつ撃つような砲では、当たりゃあしないからです。1秒に100発くらい撃たないと、ミサイルなんて撃ち落とせないからです。
今日はここまでにします。空母のお話の途中で終わってしまいました💦次回は、空母の続きと、潜水艦のお話をしたいと思います。