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警告!この記事を読んではいけない42「銃」について9<戦車砲><砲を乗り物に載せるということ>

前回の記事で、戦車砲については、ある程度のお話をしました。今日はもう少し詳しくお話しします。人類は、戦いの道具として、砲を発明しました。随分昔からある兵器です。12世紀にはすでにありました。そしてこの砲を自動車に乗せたのが、「戦車」です。

戦車とは

戦車とはどういう兵器なのか、基本から見直してみることにしましょう👆。まず、戦車は地上兵器です。戦う車、と書きます。要はクルマ、つまり自動車です。故に地上を走ります。地上は走りますが空は飛べません。水上航行もできません。ましてや水中行動もできません。

自動車の一種とも言えますが、普通の自動車ではありません。普通の自動車は、車輪と言う丸い走行装置が付いていて道路の上を走ります。道路以外の場所は、殆ど走れません。ところが戦車は、限界はあるものの、自動車より遥かに多様な地上を走り回る事ができます。

それは走行装置が車輪ではなく履帯(キャタピラ、無限軌道)だからです。履帯という走行装置は、地上の凹凸を、かなり走破できます。この点、戦車は装甲車(主に車輪で走る)とは違います。速度もかなりのものです。私も詳しくは知りませんが、時速60キロくらい、楽に出せるようです。

戦車は武装しています。砲が付いています。長射程を生み出す長い砲身の砲です。口径も大きいです。127ミリとかです。銃のお話しの時に説明しましたが、銃や砲の口径は、他の条件が同じならば、口径が2倍になると威力は10倍になります。

つまり22口径の拳銃は口径が5.56ミリですから、127ミリ砲の口径は、5.56ミリの約22.84倍。威力は50000倍ほどになりましょうか。到底人間の持ち運べる兵器で対抗できるような相手ぢゃありません。ま、対戦車ライフルとか、対戦車RPGとか、対抗できる例外的兵器もないわけぢゃありませんが。

まあ一般的には、人間が戦車に立ち向かうなど、やめた方がいいですね。太刀打ちできる相手ぢゃありません。映画やアニメで、戦車に立ち向かっていく兵士とかいますけど、あれ、あくまで映画やアニメのお話しですからね。自分に戦車が向かってきたら、逃げる事だけ考えた方がいいと思いますよ。

007の映画、ピアース・ブロスナンがボンドしていた時代、映画の冒頭で、ボンドが戦車の運転席と言うか操縦席に座って戦車を走らせ、走行中に乗用車を轢き潰すシーンがあったように記憶しています。戦車は悪路走破性も凄いのですが、乗用車に乗り上げて轢き潰すあのシーン、迫力でした!

戦車とは、そういう芸当の出来てしまう代物です。砲塔上部のハッチでも開いていて、そこから手榴弾を投げ入れるチャンスでもない限り、勝てっこないです。戦闘中に砲塔上部のハッチを開けるようなマヌケな戦車乗りはいませんから、戦車が自分に向かってきたときは、迷わず逃げましょう👆

砲を乗り物に載せるということ

戦車のお話が長くなってしまいましたが、ここで、砲を「乗り物に載せる」ということに思いを馳せたいと思います。砲の使い道は、大きく分けると、二つです。「固定砲台」と「移動砲台」です。固定された砲は少ないですが、城塞や陣地や基地を防衛するためには、どうしても必要になります。

砲は強力な武器で、これに狙われて砲弾が飛んでくると怖いです。なんせ、この砲があるために、陣地や基地は攻略できなかったりするほどです。しかしこうも考えられるんです。「当たらなければどうという事はない」これ、ガンダムでフルフロンタルが言ってた言葉です。

その通りでして、砲は砲弾が当たればそりゃあスゴイ威力です。装甲の厚い戦艦だろうが、同じ戦艦の主砲弾なんか当たってしまうと、まず1発で沈んぢゃいます。ひとたまりもないんです。当てるのが難しいもんだから、砲術なんて学問まであります。でも逆に考えれば、フロンタルの言う通り、

「当たらなければどうという事はない」んです。ですから、砲の攻撃をかいくぐって進撃する側は、当たらずに済む方法をいろいろ考えるんです。まずは動くことです。動かない目標に砲弾を当てるのは、そうそう難しくありません。ところが、動く目標に当てるのは、実は非常に難しいんです。

そこまで言えばもうお判りだと思いますが、動く目標に当てるのは難しい👆そしてそれよりもっと難しいのは、動く乗り物に砲を乗せて、動く砲台から動く目標に向かって撃って命中させる、これは至難の業です。砲を乗り物に載せると、機動攻撃が可能になり、そりゃあ強力です。しかし、動けば動くほど、命中させるのは、難しくなるんです。

日露戦争当時、世界最強と言われたバルチック艦隊ですが、乃木大将率いる日本艦隊と、日本海にて、史上最大規模の艦隊戦やりました。ロシア人は、極東の小さな島国の艦隊など、バカにしていたに違いありません。ちょいと一捻りしてやろうという感覚で、海戦を始めちゃったんです。

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ところがです。ロシア艦隊の砲弾は殆ど当たらなかったんです。一方日本艦隊の砲弾は、ロシアの数倍の命中精度で、ロシア艦隊に命中したんです。理由はいろいろです。が、最大の理由は、日本艦隊は命中精度を少しでも上げるために、必死に訓練に勤しんでいたんです。

これが功を奏し、バルチック艦隊は極東の小国の艦隊に敗れ去ったんです。今考えると、これ、ひょっとしたら勝ってはいけない海戦に勝っちゃったのかもしれませんね。この海戦の敗北が原因の全てではないでしょうが、日露戦争は、世界の予想を覆して、極東の小国の日本が大国ロシアに勝ってしまたんです。

この事実は、ロシア人の自尊心をイヤと言うほど叩き潰してしまいました。間違いなくその結果だと思われますが、第2次大戦で、ロシアは大日本帝国との不可侵条約を一方的に破棄して北方四島に攻め入り「勝ったぁぁ!」とか言って、北方四島をロシアの領土にしちゃったんです。卑怯です。

そして今でも「絶対に返さない」とか言ってるんですよね。これ、日露戦争で負けた、あの時の恨みを晴らそうとしているに違いないんです。この恨みは根深いでしょうから、やはりそうそう簡単に、あの北方四島は返ってこないんでしょうね。

ともあれ、砲を乗り物に載せるという事は、命中精度を格段に下げる事になります。それでも世界の国々は、砲を乗りものに載せて戦争をしています。今日は戦車砲のお話しと、最後にチロっと船に砲を載せるお話しをし始めましたので、次はそのお話しの続きをしたいと思います。ではまた次回。

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