警告!この記事を読んではいけない39「銃」について6<砲の概念>
前回の記事では、様々な長銃の、種類ごとの装填方法をお話ししました。今回の記事、まずは「砲」とは何か、つまり「砲の概念」をお話ししようと思います。物凄く全体的な概念からお話ししたいと思います。
単純に一言で言うと「砲」とは「銃」の大きい奴です。大きいというのは、どのくらい、何が大きければ砲なのか、通常の概念では、口径が大きければ砲、小さいのが銃、と言うことになります。そして口径の大きさ、どこからが砲になるのかは、曖昧です。
ごく一般的には、20ミリを超える口径のものを砲と言うようです。ただし慣例的に、12.7ミリ、つまり50口径の機関銃を、機関砲と呼ぶこともあります。第2次大戦中の米軍の戦闘機の機銃は、すべて12,7ミリでしたが、これは航空機銃とも言いますし、航空機関砲とも言います。
このように、何ミリ以上が砲と言うのかは、曖昧ではありますが、12,7ミリ、50口径は、銃とも言いますし、砲とも言います。このあたりが境界線と言えば境界線です。そしてここで、一旦お話を区切りたいと思います。それは、通常の砲は、あまりにお話しが長くなりますので、
「一般的な砲」のお話は、少し後回しにして、ちいと変った進行になりますが「一般的でない砲」のお話を先にさせていただきたいと思います。「一般的でない砲」とは「通常の砲(筒の中に弾丸を入れ火薬爆発のガス圧で弾丸を方向から目標に向けて打ち出す)」でない砲の事です。
具体的には、やや未来的な砲を指します。粒子ビーム砲、レールガン、レーザー砲などです。ただしこれらは、現在では現実に存在する兵器でして、決してSFだけの世界の兵器ではありません。現実にすでに存在している兵器です。ただし、軍用の実用兵器には、まだなっていないようです。では順に
1 レーザー砲
もっとも現実に普及しているものです。ただしまだ「砲」にはなってなくて小規模の実用道具です。病院で外科手術を行うのに使う「レーザーメス」が、それです。このくらいの規模のレーザー発射機ならば、すでに実用化されているのです。ただし物体を破壊するような威力のレーザー砲を作るには、発電所1つ分くらいの電力が必要なので、まだのようです。
レーザーとは、光の1種です。普通の光は、光を波と捉えた場合には、その波の振幅の位相が不規則、つまりバラバラなんです。レーザーはこの波の振幅を一定にし、位相もそろえて方向に発射するのです。振幅も位相も揃っていると、光は拡散せずにまっすぐ進みます。
要するに、広がらずに遠くまで届く光になるんです。すると何が起こるかと言うと、発射時のエネルギー量が殆ど失われず遠くまで届いちゃうんです。ハッキリ言って危険な光になります。この光線を人の目の中に照射すると、一瞬で網膜が焼かれて失明します。
だからレーザーポインターってありますよね、あの光、人の目の中に入れちゃいけないんです。失明しちゃいますよ。だからあのレーザーポインターって、普通の人が扱っていい物ぢゃないと思いますよ、本当に。ま、つまり、レーザー砲ってのは、巨大なレーザーポインターと思えば判りやすいです。
電力さえ十分ならば、あり得ないほどの高熱を、遠くまで減衰せずに打ち出せますから、成層圏から極超音速で落下してくる大陸間弾道弾とかを打ち落とすのには、有効と思われます。発射点が地上だと、空気である程度は拡散して、威力が減衰しますが、空気のない成層圏で衛星から発射したりすると、威力は絶大となります。そうなるまでには、もう少し時間がかかりそうですが。
2 レールガン
これも現実にあります。レーザーは、まだ手術用道具の段階でしたが、このレールガンは、まだ実験段階ではありますが、ちゃんと砲として存在しています。とはいえ、砲として存在している理由は、レーザーのように、小型化ができない代物だからです。
レールガンとは、その名の通り、2本のレールに電磁誘導隊、つまり金属を挟んで、磁力でレールに沿った方向に打ち出す装置です。実験映像がスマホで見れますよ。ま、「百聞は一見にしかず」とはこのことですね。説明不要です。スマホで見てください。いやでも判ります。
スンッッゴイ威力です。私も映像見てビックリしました。恐ろしいです。これを戦闘艦の主砲にしようという計画だそうな。うわあああ、こんな主砲に狙われたら助かりっこないですね。威力がスゴイ理由は単純明快です。弾丸の速度が半端ないんです。超音速とかそんなレベルではないようです。
理論上は光の速度に近付ける、とかいうレベルだそうですが、さすがに現実にはそういうレベルは無理ですが、この弾丸、あまりに速度が速すぎて、追尾する事も迎撃することもできません。速度が速いという事は、運動エネルギーが物凄いと言う事です。当たったら絶対に助かりません。粉々です。
今日はここまでにします。3の粒子ビーム砲は次の記事でお話ししますね。