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風間真のブラック・ジョーク・シリーズ 3 A.ビアス著「悪魔の辞典」

 書籍のお話です。私の愛読書、アンブローズ・ビアス著「悪魔の辞典」。この本、タイトルからして凄いでしょ?(笑)。これ、本当に素晴らしいですよ。世の中の真実が書かれています。私がこの本を好きなのは「本当の事」が書かれているからです。

 この本との出会いは、中学2年の時にさかのぼります。1971年ですから、ちょうど半世紀前になります。東京都文京区立茗台中学校。普通の公立中学校でした。この学校に私は2年の2学期から転入しました。熊本からの転居によってでした。

 この中学で私は、2年3組に転入し、そのクラスが解散するまでの約半年間に、その後の人生に大きな影響を与える友人たちとの出会いをしました。中でも大きかったのが、その後親友となる石川雅史君との出会いでした。彼は、日本SF界の有名人、石川喬先生の長男でした。

 彼と仲良くなり、彼の家によく遊びに行きました。作家さんの家らしく、大きな家でしたが、どの部屋も本で溢れかえっていました。それはそれは素晴らしい光景で、私は大いに憧れました。私がまだ「音楽をやりたい」などと思う前の事でした。

 彼は物静かで頭脳明晰な読書家で、ペースの早い時期には1日に1冊の本を読んでしまうという理知的な少年でした。彼は私に、たくさんの本を教えてくれました。私がフレドリック・ブラウンを好きになったのも「73光年の妖怪」を教えてくれたからですし、

フランク・ハーバートの「砂の惑星」も教えてもらって読みふけりました。私は彼との出会い以降、よく読書をするようになりました。それも、どちらかというと安易でなく難解、解するのにやや骨の折れるようなSF小説を、好むようになりました。

 アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」も、そんな中の一つで、これは、小説ではなく、タイトル通り「辞典」の形式をとっています。「悪魔」とか書かれていますが、別に神とか悪魔とかの本ではありません。単に、世の中の真実が書かれている、という内容の辞典です。

 しかし、半世紀前の当時は、今以上に「人の主義主張に<キレイごと>が横行する時代」でして、そのような時代に、ビアスのように「本当の事」を、本として出版するなど、大きな勇気が必要だったに違いありません。またこれを出した出版社も、大きなリスクを背負ったに違いありません。

 そんな時代に、こんな書物が出版できたことは、私のように、そして実際には多くの人々のように「本当の事を言うのが好き!」という人種にとっては、大きな僥倖でした。大変喜ばしいです。素晴らしいことです。全世界の人々に、この書籍の素晴らしさを伝えたいです。

 前置きはこの辺にして(お前はいつも、前置きが長すぎる!とおしかりを受けそうですが・・・)、いよいよ「悪魔の辞典」の中身をお伝えします。辞典ですから、アルファベット順に単語が並び、それが一つ一つ解説されています。私が最も好きな単語解説を、2つご紹介します。

Happiness<幸福>・・・他人の不幸を見ているうちに沸き起こる快い気分

Handkerchief<ハンカチ>・・・様々な恥ずべき役割を担ってきたが、葬式の際は、出ぬ涙を隠すのに、特に便利な道具

あ~~~っはっはっはっはっ!! どうですか?どうですか? ね?ね? 正しいことが書いてありますよね! 私、こういう「本当の事」が、世界中に広まると、世の中、もっともっと良くなると思うのですが、皆さん、いかがですか? ではまたB.J.シリーズで、お会いしましょう!

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