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2022年5月8日(日)フォニックス・マリンバ・オーケストラⅨ演奏会 <木の命を感じるような>心に刺さる音楽の演奏会

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今夜の演奏会は凄かった!

とにかく最初の1音からスゴイ音が出ていました。言葉でこれを表現するのは難しいです💦強烈な印象でしたので、この記事でその感動を読者の皆様にお伝えしたいです。多分分量が多くなると思います。一つの記事では到底収まりませんので、今日から数日かけて記事を書きたいと思います。

フォニックスの正式名称は「上野信一&フォニックス・レフレクション・マリンバ・オーケストラ」

このマリンバ・オーケストラの演奏会に足を運ぶのは3度目。最初は、新野将之君からのお誘いで、作曲家西村朗氏の「バガバッド・ギーター」の世界初演の演奏会。これは凄かったです。2度目からは、このフォニックスのメンバーでもある藤澤仁奈さんとも知り合いになったので二人が出演する演奏会とあっては、それは行かねばという感覚で自然に生きたくなりました。

今回の3度目は、2度目の演奏会の時に、アンケートによるチケット・プレゼントに応募したら、当選となってしまったみたいで、フォニックスの事務所からチケットが送られてきたので、ありがたく行かさせてもらうことにしました。

前回の演奏会では、<森の中にいるような>心地よい演奏会、と題して4つの記事を投稿しました。今回は<木の命を感じるような>心に刺さる音楽の演奏会、と題しました。短く表現すると、前回の演奏会は柔らかい印象だったのに対し、今回は「柔らかくはない、木でありながら硬質、木の命と鋭さを感じさせるような」演奏会でした。

日本人作曲家3名の作品が演奏されました。3人の作曲家の作品は、どれもがそれぞれの個性が生きていて、フォニックスメンバーの充分な技量と相まって、どれも印象的でした。

特に今夜の最後に演奏された西村朗先生の「キトラ」は圧巻でした。各曲について詳しい感想は、次回以降の記事に譲りますが、とにかく「キトラ」は圧巻でした。演奏も素晴らしかったのですが、なんせ曲が「いい曲」でした!非常に音楽的。美しさと潤いに溢れた素晴らしい音楽でした。

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私が楽しみにしていた「歌劇カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」

何故楽しみだったかというと大好きな曲だからです。この曲を初めて聴いたのは中学1年の時でした。当時住んでいた熊本市で、市主催のレコードコンサートというイヴェントが、毎月1度、熊本市民会館で催されていました。入場無料だったので、お小遣いの少ない中学生の身には、誠にありがたい、ホールで音楽を聴く機会でした。

毎月楽しみに通っていました。前半はクラシック、後半はポピュラーを、市の担当者が独断と偏見で選曲して(笑)、私たち市民によい音楽を提供してくれていました。特徴的だったのは「レコードを再生するコンサート」だったことです。

当時はまだCDなどと言うものはこの世になく、音楽を再生する媒体は、レコードかテープでした。当時のテープはノイズとの戦いをせねばならず、キレイな音で音楽を鑑賞しようとするならば、再生の場合はやはりレコードでした。しかし、生演奏でなく、レコード再生でコンサートが成り立つとは、これもまた、昭和40年代当時の日本の社会経済状態が垣間見える出来事だったと思います。

ステージに、かなり高価な音響機材が並んでおり、これは音響メーカーが、自社の宣伝の為におそらく無料で市に貸し出してくれたものと推察できます。サンスイ、トリオ、ヴィクターなどのスピーカーが並んでいました。実はこれらの音響機器が並んでいるのを見ることも、私の楽しみでした。

音響機材、好きなんです。まだ中学生当時の私の音響への興味は、まずは家庭用のオーディオ機器でした。当時の家庭用ステレオの高級機は、憧れの存在でした。今と違って、当時の家庭用音響機器は大きかったんです。カッコよかったんです!まだ中1の私は、美しくてゴージャスなその姿の虜となっていたのでした。

さて、見ただけでワクワクする、そんな有名メーカーのスピーカーから、それはそれは美しい音楽が流れて来ました。

「歌劇カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」

もともと歌劇の間奏曲には美しい曲が多いと言います。この曲はその中でも特に有名です。私は中1のその時に初めて聴きましたが、それはそれは美しい音楽で感動しました。

大学生になり、音楽を志すようになってから、この曲の美しさの秘密を知りたくなり、スコアを買って勉強しました。この曲は透明な美しさ、というか、他の曲では味わえないサウンドが出ます。スコアを見てその秘密を解明しようとしました。驚きました。楽器編成もアレンジの方法も、他のオーケストラ曲とは全く違うものだったのです。

というか、この曲、ハッキリ言って、オーケストラという編成の曲ぢゃないです。前奏に僅かなオーボエと、曲の最後の音に1音だけフルート、オーボエ、クラリネットがありますが、殆ど、弦とオルガンとハープ、しかも驚いた事に、コントラバスがないんです。

しかも更に驚いた事に、前奏が終わると、コントラバスのない弦4部は、最初から最後までユニゾンです。特に、この曲特有の、あの透明な響きを作っているのは、ヴァイオリンの1と2がオクターブ離れて同じ音を弾いているんです。この時のヴァイオリン1は超高音になります。このヴァイオリン1の超高音が、あの透明な響きの秘密だったのです。

こんなアレンジをする作曲家、マスカーニの他に知りません。どの作曲家も、皆一生懸命、美しい響きを求めてサウンドを工夫しているはずですが、こういう芸当ができてしまうのが、マスカーニの天才と言うべきでしょう。他の作曲は誰一人、こんなアレンジ方法を思いつかなかったのですから。

だから楽しみだったのです。今日の演奏会で、フォニックスはいったいどんなサウンドを聴かせてくれるんだろうかと。この透明なサウンドを、どういうアレンジで再現しようとするんだろうと。アレンジは奥定美和先生です。そして聴きました。

ああ、もうすでに2500字になろうとしています。今夜はここまでにします。次の記事でも、たくさん感想を書いて、少しでも今夜の演奏会の素晴らしさを、この記事を読んでくださる方々に伝えたいです。

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