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2021年9月17日(金)新野将之君パーカッションリサイタル。今夜は素晴らしい記憶が得られた。

2019年9月17日(金)、このマガジンの前回記事でご案内した通り、私の教え子、新野将之君が打楽器のソロリサイタルを催しました。彼のソロリサイタルは3度目。最初のリサイタルから超印象的でしたが、この夜のリサイタルもすごかったです。

今演奏会から帰宅しました。会場の東京コンサーツ・ラボは、大変明るく、小ホール規模の会場ですが広々とした印象でした。演奏会の結果、私が得られたのは「ああ、いい夜だった!」という感想。この一言に尽きます。どの曲も印象的。とても一人の演奏とは思えない濃密な音の連なり、でした。

彼自身が以前から言っていたことですが「超絶エネルギッシュプログラム」です。彼の意気込みが伝わってきました。演奏会終了まで体力が持つのか心配になるほど凄まじい曲のオンパレード。私の曲が予想通り最もおとなしい曲でしたが、あの曲とは思えないほど、エネルギッシュでした(笑)。

6月の藤澤仁奈さんとのデュオリサイタルと違い今回は一人きりの演奏会。一人きりでステージに上がり、2時間近く最後まで一人きりで演奏するって、たとえ大人しい曲を選んだとしても、非常に体力を消耗する事を知っていますので、このプログラムには驚きを通り越して、心配になりました。

1人での演奏会では、彼はいつも最初から全開、最後まで全開、それができる体力の持ち主であることは知っていますが、さすがにこのプログラムでは心配になりました。これを彼のいつものエネルギー量で演奏するとなると、演奏会自体が凄まじいはじけ方だな、と予想しながら会場に入りました。

予想通りでした。最初から全開!最後まで全開!アンコールまで演奏してましたが、アンコールも全開!とにかく物凄いエネルギー量の演奏会でした!

今回、彼が演奏してくれた私の曲は「水浸しの憂鬱」2009年の作品で、私のライフワーク「憂鬱シリーズ」の1曲です。原曲はアコースティックギター独奏曲で、自分の演奏会で私自身がギターを弾ていました。それを彼が気に入ってくれて打楽器でも演奏できるよう彼自身が編曲してくれました。

当初はマリンバで演奏してくれていたのですが、ある時ヴィブラフォンで演奏してくれた時「あ、この方がよい!」と思いました。アコースティックギターの振動体は金属弦です。打楽器の場合は、やはり金属の振動体である、ヴィブラフォンの音板の方が相性がよかったのだと思われます。

この会場は、ヴィブラフォンとの相性が良く、楽器の音が大変美しく響きました。金属音板の冷たく澄んだ音色が、突き抜けて響き渡る感じでした。

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本当を言うと、名だたる作曲家さんたちの有名な作品に交じって、私の曲が演奏されるなど、かなり気がひける状況ではあったのですが、同時に、そういう作品群に交じって自分の曲を演奏してもらえるのは大きな喜びでした。劣等感と気分の良さが入り混じった、でも気分の良さが勝る不思議な感じ。

他の曲は初めて聴く曲もありましたが、彼の演奏会で聴いた曲が多く、そこで彼の成長を目の当たりにすることになりました。特にクセナキスのルボンは、圧巻でした。今日気付いたのですが、新野君はどうやら、消耗の激しい曲を全開で演奏しながらも、演奏中にリラックスして休む、という離れ技を身に付けたようでした。スゴイことです。

作曲家は私の他にお二人、いらっしゃってました。池辺晋一郎先生と、北爪道夫先生。このお二人にお会いできたことは大変嬉しく、今度また別の記事でお話ししたいと思います。また、6月に新野君と共演した藤澤仁奈さんの母上がいらっしゃいました。

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上の写真は2020年2月、我が家にてアルバム「天照」のレコーディングをしている時の新野君です。アルバムには彼の素晴らしい演奏が収められていますので、是非これも聴いてみてくださいませ。noteの投稿でも音楽記事として紹介していますし、tuneCOREから配信販売もしています。

ではまた次の記事で、お会いしましょう。



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