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警告!この記事を読んではいけない86「銃」について52<戦闘機の搭載機銃9>

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前回の記事で、第2次大戦時のアメリカ戦闘機の搭載機銃について、お話ししました。徹底した合理性で貫かれたF6Fヘルキャットは、とうとうゼロ戦を凌駕する戦闘機になったのでした。「操縦のヘタクソなパイロットが、ヘタクソな射撃をしても、ゼロ戦を落とせる」事を実現した6丁の12.7ミリ機銃。そして「ゼロ戦に撃たれても落ちない、撃たれても死なない」を実現した堅牢な構造と厳重な防弾板。ゼロ戦は、この徹底した合理性に敗れたのでした。

今日は、第2次大戦時の戦闘機の搭載機銃の続きです。と言っても、第2次大戦期のお話は、今日で最後になります。今日は、大戦末期、ドイツ空軍に登場した、世界初の実用ジェット戦闘機、メッサーシュミットМe262の、お話です。

メッサーシュミットМe262

世界初のジェット戦闘機です! 世界初のジェット機です!世界で初めて、ジェットエンジンを積んで空を飛んだ機体です! ジェットエンジンです!プロペラという名前の扇風機を(笑)、クルクル回して風を起こして飛んでいた、レシプロ戦闘機とはワケが違います!

ジェット噴流という「ゴ~~~ッ!」という熱気を後方に噴射して空を飛ぶんです! これはカッコいいです! 現代の戦闘機もジェット戦闘機です。つまり現代の飛行機と同じ方法で飛んだ、初めての飛行機です! そして、とにかく早かったです! 概算で、レシプロ戦闘機の速度の150キロ以上早かったんです!

とにかく素晴らしかった事は確かなんですが、実際には、最初期のジェットエンジンですから、いろいろ問題が発生して、1430機ほども生産されたこのМe262ですが、エンジンの信頼性が低かったんです。当時のジェットエンジンはスロットルの応答性が悪く、増速や減速が思うようにいかなかったり、すぐに過熱してノズルが溶け出したり、70時間ほど飛ぶともうエンジンがオシャカになって交換しなければならなくなったりで、大変だったようです。

スロットルの応答性が悪かったため、圧倒的な速度を持ちながら、格闘戦が出来なかったこの262です。戦法は、一撃離脱のみだったようです。でもとにかく速度は圧倒的だったので、敵機に追いかけられる心配はなかったようです。

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メッサーシュミットМe262の武装

後期型には、24発装備のロケット弾ランチャーが組み込まれたりしましたが、初期型はやはり機銃でした。というか、30ミリですから機銃ではなく機関砲ですね。戦車の装甲をも破る30ミリ砲です。これを、機首に4丁も備えていたんです!

あ、これこれ、やはりドイツ人ですね!プロペラ軸内発射にこだわったドイツ人です。262になってエンジンが機首から主翼に吊り下げる形になり、これで機首に武装を集中させることができるようになりました!そしてこの機種の中央部分に、30ミリ砲を4丁も装備したんです。

262は、時速800キロとか、状況によっては、900キロ近くまで出た速度で、敵の爆撃機に迫り、4連の30ミリ砲を一度に浴びせるんです!!この30ミリ砲、数発で爆撃機を撃墜できたそうです。これでは連合国軍の爆撃機もたまりませんね。

まあ、欠点もあったそうです。この30ミリ砲、当たれば威力は大きいですが、30ミリ弾は大きくて重いため、これをきちんと真っすぐ、それも大きな発射速度で撃ち出すことは難しかったようです。というより、出来なったようです。

大きくて重い30ミリ弾を、充分に加速できるだけの銃身は、当時、なかったみたいなんです。なので結果として、連射速度は遅く、弾丸の初速も遅かったため、弾道が安定せずに、かなり接近しないと命中させられなかったようです。それでも接近するための速度は充分すぎるほど出ましたから、この262に狙われた爆撃機は、狙われたが最後、逃げるもできずに、撃墜されていったそうです。

いやあ、新兵器って怖いですね💦💦プロペラのついてない、見たこともない形の飛行機が、とんでもないスピードで後ろから迫ってきて、いきなり、30ミリ砲を4連で撃ってくるんです💦いやあ、連合国軍の爆撃機乗りたちは、一体何が起きたのか判らなかったでしょうね。

爆撃機ですから、当然護衛戦闘機はいました。大戦末期、連合国軍の爆撃機隊の護衛戦闘機は、主にP51マスタングで、この機はレシプロエンジンとしては画期的な速度を持っていました。700キロも出たんです!連合国軍は、これ以上速い飛行機はないと思っていましたから、安心して爆撃機隊の護衛を任せていたんですが、ところがそこに、時速900キロも出る戦闘機が迫ってきたんです。

しかも戦法は一撃離脱です。あっという間に距離を詰められ、護衛戦闘機が迎撃しようにも、気が付いた時にはもう爆撃機は撃墜されて、262はスゴイスピードで飛び去った後、という感じになったようです。

今日はここまでにします。第2次大戦期の戦闘機の搭載機銃のお話は終わりです。次回からは第2次大戦後の戦闘機の搭載機銃です。手始めにアメリカ空軍のF86セイバーのお話です。セイバーは、今回のМe262を参考にして作られましたから、262の要素を色濃く反映しています。

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