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警告!この記事を読んではいけない57「銃」について24<潜水艦戦>

前回の記事で、潜水艦と水上艦の戦闘についてお話ししました。今回はいよいよ、潜水艦同士の戦闘についてお話ししたいと思います。と言っても、私の知識は、本やら映画やらの範囲を出ていません。つまり、実戦系経験はありませんので(笑)、その前提で読んでみてくださいね。

潜水艦が潜水艦を攻撃する兵器

一つしかありません。魚雷です。例外としては、かつての米ソの戦略原潜が垂直発射型の核弾頭弾道ミサイルを多い場合には24発も搭載していたことがあります。今も存在してはいますが徐々にその数を減らしつつあります。各国、現有の潜水艦での戦いでは、実質的に使える兵器は魚雷のみです。

あと、この記事でもお話ししましたが、サブロック・・・これは確かに設計され、300ほど製造されましたが、その後設計も製造もされず、配備もされませんでした。だって、製造されたサブロックは、全て核弾頭搭載型だったのです。かつての核ミサイル配備拡張競争の、なれのはてです。

あ、サブロックとは潜水艦が魚雷発射管から発射するミサイルです。通常弾頭型のサブロックも、構想はあったようですが、少なくとも製造はされませんでした。もし、存在させるのであれば、最も存在意義が高いのは、上空で潜水艦を探知したり攻撃したりできる対潜哨戒機を攻撃するミサイルです。

現況では潜水艦は、対潜哨戒機を撃ち落とす兵装を持っていません。対潜哨戒機に魚雷を撃たれたら、逃げ回るしかないんです。反撃できないんです。だから潜水艦乗りたちは、きっと対潜哨戒機を攻撃できる手段を欲しがっているに違いありません。魚雷は、水の中は自由にかなり速い速度で航走できますが、空は飛べませんから、上空の敵機を攻撃する事は出来ないんです。

さて、潜水艦と潜水艦が、1対1で対峙して、お互いを沈めようとしている状況になったとします。ああ、興奮しますね!怖いですよ、これ!一騎打ちです。決闘です。相手を沈めない限り、自分が沈むんです。これ、キレイな言葉で書きましたが、要は、相手を殺さない限り、自分が死ぬんです!

しかも死に方が、それはそれは、とてもとても怖いです。潜水艦での死に方は普通一つしかありません。窒息死です。だって、魚雷撃たれて命中すると船体に穴があいて、そこから海水が、ドバーっと流れ込んでくるんです。そして艦全体が海水で満たされると、沈んぢゃうんです。

息ができなくなります。息ができなくなると、人間は死んぢゃいます。魚のように、エラを持ってないんですから。ああ恐い、息ができなくなることを、想像したことありますか? 考えただけで怖くて怖くて・・・こういう死に方、想像できますか?私は恐すぎて想像したくないです💦

さて、潜水艦と潜水艦が1対1で対峙して、戦闘が始まったとします。魚雷を撃ちあう以外の戦法があるとすれば、それは体当たりです。あり得なくはないです。本当ですよ、戦法としてあるかどうかは判りませんが、潜水艦同士の艦体が衝突した際、お互いの被害を最低限に抑える装置も実在します。

これ、マスカーって言うんです。マスカーの本来の使い方は、敵に探知されにくいように、船体を細かい泡で包もう、というものです。探知妨害装置の一種です。どちらかというと物理的、原始的なステルス装備です。でもこのマスカーを発生させると滑りが良くなるので、潜水艦同士が衝突した場合、お互いのダメージを少々軽減する事ができます。

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あ、体当たり戦法のお話しでしたよね。少なくとも私は、現実の実戦で、潜水艦が相手をやっつけるために、この方法をとった例を知りません。これをやる場合は、冷静に考えると、極めて限られた状況でないと、やる意味はないです。というか、これやると、成功して相手を沈める事が出来たとしても、自分も破損して沈んぢゃいます。文字通りの両刃の剣ですね。

昔はよく戦争映画などで、こんなセリフが、よくあったぢゃないですか。「死なば、もろとも~~っ!!」と叫びながら敵に突っ込んでいくという。 あれですよ、あれ。自殺行為というか、自爆テロですね。できますか?できませんよ!少なくとも私はできません。というか、やりたくないです(笑)。

余談ですが、アニメの「伝説巨神イデオン」で、バッフクランの戦闘機乗りが、ソロシップの戦力に対して「死なば、もろとも~~っ!!」と叫びながら突っ込んでいくシーンがありましたが、あれ、感動しましたね! ああ、バッフクランもこんなセリフ言うんだ!と思いました。私はやりたくありませんけどね(笑)。

体当たりしても自分が無事でいられるという保証がない限り、やりたくありませんね。だからやりたくなる場合は、キャプテンハーロックのアルカディア号に乗っている場合だけです。アルカディア号の得意技は体当たりです。相手の船は壊れますが、アルカディア号は壊れません(笑)。

という訳で、潜水艦同士の一騎打ちで、体当たり戦法はないとしましょう。オーソドックスにセオリー通り、魚雷戦で決着を付けましょう。どんなに優れた誘導装置を持った魚雷も、相手の位置が判らなければ、意味を成しません。まずは相手の位置を知ることです。

自分は音を立てずに、相手の立てる音にじっと耳を澄ませるのです。聞こえるかもしれませんし、聞こえないかもしれません。相手に自分の音を聞かれちゃったら最後、すぐに魚雷がすっ飛んできますから、とにかく静かにしているんです。乗組員も、何も音をたてないように厳命されます。

ところがです、誰か一人がヘマやって、工具を落としてしまうとかすると、もう大変です。カーン!という金属音が響くと、敵潜水艦のソナー員にすぐ聞かれてしまいますから、すぐに攻撃されます。ヘマやらなくても、何らかの船の不具合で、何らかの音って、出ちゃうものなんです。

例えば船外に取り付けられたウインチが、僅かでも動くとギイっと鳴ってしまいます。こういう不用意に出てしまった音を聞いて、相手への攻撃を始めるわけです。敵に魚雷を撃たれたら、もう逃げ回るしかありません。デコイとか発射しまくって、必死に逃れようとします。

逃れるのに成功しても、全速力で逃げていると、エンジン音がけたたましく鳴っていますから、狙いはつけやすいです。次々と魚雷が来ます。運が良いと、敵魚雷はデコイに食いついて爆発します。爆発すると大音響が鳴り響きますから、それが鳴っている間はソナーは役に立ちません。敵のソナーが役に立たない間に、自分はこっそり逃げるんです。

そして、敵魚雷の発射時の音・・・魚雷発射音は、大変良く聞こえるため、その時点ではすぐに敵艦の位置を把握できます。つまり逃げながらも、敵艦の位置の見当は付くわけです。そこで今度は反撃です。敵の位置のあたりに、同時に複数の魚雷を撃ってみます。

すると今度は敵の方が慌てて、逃げ回るのに必死になります。敵が逃げたら、逃げている間はソナーが効きますから敵艦の位置を追います。そして爆発すると、またソナーが効かなくなりますから、また探知と攻撃、お互いに最初からやり直しになります。

この戦いは、魚雷がなくなるまで続きます。または、どちらかの魚雷が相手に命中するまで続きます。ああ、恐いです。乗組員たちは、いつ、敵魚雷で自分たちが死んぢゃうか判らない状況で、必死に戦い続けるんです。潜水艦乗りって、本当に凄い人たちです。私には到底できません。

今日はここまでにします。潜水艦での戦い、お判りいただけると嬉しいです。これでやっと潜水艦のお話を卒業して、次の話題に行きたいと思います。水上艦の砲のお話しです。

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