●本日の2+2「日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表 」による「台湾有事等に係わる日米共同作戦計画」の決定を糺す!
*2+2では、「日米は、このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎」として、日米制服組が進めてきた、「島嶼防衛・日米共同作戦計画」を追認した。つまり、2000年代半ばから強行されてきた、日米指揮所演習「ヤマサクラ」、2013年から強行されてきた日米実動演習「ドンブリッツ」等を追認し、「日米政府の決定」に格上げしたのである。
*また、「日本は、戦略見直しのプロセスを通じて、ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する決意を表明」として、岸田政権が唱えてきた「敵基地攻撃能力を有する長射程ミサイル」の開発・配備を、アメリカに約束したのである。
*こうした「日米共同作戦計画」の両政府による承認・決定は、従来の制服組の演習や南西シフト態勢を加速するだけでなく、実際の「防衛計画」に反映される。年内に策定されようとしている「防衛大綱の大綱」などの改定がそれである。
*そして、この新「防衛大綱の大綱」改定を含めて、新たな安全保障計画に基づく軍事予算として計上され、新基地建設・増強態勢作りとして進むのだ。
*この2+2決定による、日米の南西シフトの増強にも重大視しなければならない。
2+2では、「閣僚はまた、日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取組を含め、日米の施設の共同使用を増加させることにコミット」としているが、これは米軍の「遠征前方基地作戦」(EABO)による、宮古島・石垣島などの琉球列島の基地化ー共同基地化である。これらへの米海兵隊・陸軍の、地対艦ミサイルなどの配備を謳っているのである。
*このような、琉球列島の住民、市民、そして全国の市民を無視した、日米政府の有事・戦争計画を厳しく批判し、抗議しなければならない!
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以下、2+2の重点事項の要約
*閣僚は、変化する安全保障上の課題に、パートナーと共に、国力のあらゆる手段、領域、あらゆる状況の事態を横断して、未だかつてなく統合された形で対応するため、戦略を完全に整合させ、共に目標を優先づけることによって、同盟を絶えず現代化し、共同の能力を強化する決意を表明した。
*日本は、国家の防衛を強固なものとし、地域の平和と安定に貢献するため、防衛力を抜本的に強化する決意を改めて表明した。米国は、日本の決意を歓迎するとともに、最近完了した「世界的な戦力態勢の見直し(GPR)」において表明したように、インド太平洋における態勢及び能力を最適化する決意を表明した。米国は、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを改めて表明した。日米は、米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保することの決定的な重要性を確認した。
*閣僚は、ルールに基づく秩序を損なう中国による現在進行中の取組は、地域及び世界に対する政治的、経済的、軍事的及び技術的な課題を提起するものであるとの懸念を表明した。閣僚は、地域における安定を損なう行動を抑止し、必要であれば対処するために協力することを決意した。閣僚は、自由かつ適法な通商への支持、航行及び上空飛行の自由並びにその他の適法な海洋の利用を含む国際法の尊重を再確認した。閣僚は、地域の平和と安定を損なう威圧的な行動に関するデータを収集・分析するための取組を通じたものを含め、情報共有の取組を強化する意図を共有した。閣僚は、地域の平和と安定を更に損なう東シナ海における中国の活動に懸念を表明した
*閣僚は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し両岸問題の平和的解決を促した。
*閣僚は、自由で開かれたルールに基づく秩序を推進するという、日米豪印(クアッド)のメンバーである豪州及びインドとの2021年9月のコミットメントを新たにした。
閣僚は、画期的な日豪円滑化協定(RAA)の署名、昨年11月の日本による初めての豪州の艦船に対する武器等防護任務及びAUKUSパートナーシップによって示された、日米それぞれの豪州との安全保障・防衛協力を支持した。閣僚は、英国、フランス、ドイツ及びオランダそしてEU及びNATOを通じたものも含めた、欧州のパートナーや同盟国による、インド太平洋における更なる関与を歓迎し、多国間演習や展開の拡大に支持を表明した。
*困難を増す地域の安全保障環境に対応するにあたり、日米は、今後作成されるそれぞれの安全保障戦略に関する主要な文書を通じて、同盟としてのビジョンや優先事項の整合性を確保することを決意した。日本は、戦略見直しのプロセスを通じて、ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する決意を表明した。日米は、このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎した
*閣僚は、とりわけ陸、海、空、ミサイル防衛、宇宙、サイバー、電磁波領域及びその他の領域を統合した領域横断的な能力の強化が死活的に重要であることを強調した。即応性、抗たん性及び相互運用性を向上させる必要性を強調し、閣僚は、アセット防護任務、共同の情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動、実践的な訓練・演習、そして、柔軟に選択される抑止措置(FDO)、戦略的メッセージを含む協力の深化を歓迎した。閣僚はまた、日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取組を含め、日米の施設の共同使用を増加させることにコミットした。
*米国は、2011年日米安全保障協議委員会(SCC)文書の記述と一致する馬毛島の施設について、2022日本会計年度日本政府予算案への建設費の計上による日本の決定を歓迎した。
*参考に