小西 誠

軍事問題の研究・調査の傍ら、出版社を経営しています。また、個人的には「自衛官人権ホット…

小西 誠

軍事問題の研究・調査の傍ら、出版社を経営しています。また、個人的には「自衛官人権ホットライン」(自衛隊で唯一の、常時、民間相談機関)の事務局も運営しています。 (軍事ジャーナリスト・社会批評社代表・自衛官人権ホットライン事務局長)

マガジン

  • 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く日米軍隊の南西シフト態勢

    現在、日米軍隊による南西諸島全域へのミサイル基地建設造りが急ピッチで進んでいるが、これを報道するメディアがほとんどない。この全容を現地取材と軍事分析で解き明かす。

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米軍の最新戦略「海洋プレッシャー戦略」の全訳             ――日米軍の南西シフト=新たな「海洋限定戦争」態勢を提示

●戦略予算評価センター( CSBA)の西太平洋の新戦略「海洋プレッシャー戦略」のポイント ●このCSBAの新戦略「海洋プレッシャー戦略」は、2012年CSBAのエアシーバトルなどの補完戦略であり、核心は中国軍の初期のミサイル飽和攻撃への防御「グアム以遠への撤退戦略」を修正し「前方配置戦略」を打ち出したもの(CSBAは米政府に多大な影響をもつシンクタンク)。 ●すなわち、第1列島線にインサイド部隊が確立した防衛バリアと、それをバックアップする第2列島線ー西太平洋にアウトサイ

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    • 「アメリカ海軍の戦争遂行能力向上のための航海計画2024」米海軍作戦部長      (chief of naval operationsFOR AMERICA’S WARFIGHTING NAVYnavigation plan)    

      *2024/9/19付日経新聞、産経新聞は、「米海軍制服トップ『中国と戦争になる可能性』に備え能力強化 航海計画2024発表」とセンセーショナルに報道した。またぞろ「2027年中国の台湾侵攻説」の煽りかと思われるが、発表されているのは米海軍の正式な「作戦運用計画」だ。  つまり、米海軍が2027年における中国との戦争に備えて、具体的に兵力増強をどう進めるか、その戦争態勢全体をどう作るのか、という計画である。 この計画で繰り返し主張されているのが、「この航海計画は、2027年ま

      • 朝日新聞もデジタル版では、リベラルなのか?

        ●京都・祝園、ネット大学習集会(小西誠作成のパワーポイントのレジュメを公開) 自衛隊は、京都の学園都市・精華町に、ミサイル弾薬庫8棟新設などを決定。この弾薬庫は、なんと陸自・海自の共同運用というものだ(海自舞鶴基地・イージス艦2隻にトマホーク搭載)。 祝園分屯地・弾薬庫の面積は、約470㏊東京ドーム約100個分に相当(宮古島・保良弾薬庫20㏊、奄美大島・瀬戸内弾薬庫31㏊)。戦時中は旧陸軍の弾薬庫として使われ、「東洋一の弾薬庫」とも呼ばれた。 この状況に対し、地元の

        • 南西シフトの新たな、本格的態勢づくり――対中戦争態勢の兵站態勢について!

           自衛隊の南西シフトの最大の問題として上げられているは、南西諸島へ機動展開する陸自「14個旅団・師団」の補給・兵站の困難性という問題である。 この問題を解決を、「陸上自衛隊の機動戦型兵站への移行を目指して ― 南西島嶼防衛への適応を中心に」(田村 大樹・陸自教育訓練研究本部)という論文において田村は、「海上輸送群を新編し、南西地域への機動展開能力を強化し、南西地域に補給処支処を新編」などとして提案している。 すでに、24/12安保関連3文書では、PFI船舶の大増強とともに、海

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        米軍の最新戦略「海洋プレッシャー戦略」の全訳             ――日米軍の南西シフト=新たな「海洋限定戦争」態勢を提示

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        • 「アメリカ海軍の戦争遂行能力向上のための航海計画2024」米海軍作戦部長      (chief of naval operationsFOR AMERICA’S WARFIGHTING NAVYnavigation plan)    

        • 朝日新聞もデジタル版では、リベラルなのか?

        • 南西シフトの新たな、本格的態勢づくり――対中戦争態勢の兵站態勢について!

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        • 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く日米軍隊の南西シフト態勢
          48本
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        記事

          ●ETV特集「“玉砕”の島を生きて~テニアン島 日本人移民の記録~」について

          NHKのNスペやETV特集は優れたドキュメンタリーだとは思うのですが、やはりもっとも肝心な内容が欠落していると思います。 例えば、サイパン――政府が建立した「中部太平洋戦没者の碑」や「沖縄の塔」までは紹介するのですが、その沖縄の隣、わずが数十㍍に起てられた「韓国平和記念塔」(上写真。軍事基地建設のために多数が強制動員、が、戦没者数は不明)は、まったく触れられていません。 そして、現地で植民地化され、同化政策で犠牲になり、戦死したチャモロ人約930人に少し触れることはありま

          ●ETV特集「“玉砕”の島を生きて~テニアン島 日本人移民の記録~」について

          京都・祝園、ネット大学習集会(小西誠作成のパワーポイントのレジュメを公開)

          自衛隊は、京都の学園都市・精華町に、ミサイル弾薬庫8棟新設などを決定。この弾薬庫は、なんと陸自・海自の共同運用というものだ(海自舞鶴基地・イージス艦2隻にトマホーク搭載)。 祝園分屯地・弾薬庫の面積は、約470㏊東京ドーム約100個分に相当(宮古島・保良弾薬庫20㏊、奄美大島・瀬戸内弾薬庫31㏊)。 戦時中は旧陸軍の弾薬庫として使われ、「東洋一の弾薬庫」とも呼ばれた。 この状況に対し、地元の祝園町を始めとして、今住民たちが起ち上がろうとしている! この動画は、その住

          京都・祝園、ネット大学習集会(小西誠作成のパワーポイントのレジュメを公開)

          猫たちも、犬たちも、馬たちも、全て戦争に動員された!

          ●猫たちも、犬たちも、馬たちも、全て戦争に動員された! ――中国大陸に動員された百数十万の馬たちは、1頭も日本に帰ってこなかった! ●参考資料 『ネコでもわかる? 有事法制』(小西誠・きさらぎやよい/編著 出版元: 社会批評社)  はじめに 7 PART1 還らなかった動物たち 11 ●かつて、ネコ、イヌ、ウマ、ハトも有事に動員された!   撲殺されたイヌたち 12   連絡・ゲリラに使われたイヌ 19   ネコ・ウサギの毛皮も徴発 22   一頭も還ってこなかった「軍

          猫たちも、犬たちも、馬たちも、全て戦争に動員された!

          ●日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表について

          7/28、2+2による、日米の新たな軍事態勢――対中国戦争態勢の一段の強化が策定。この核心は報じられているように、日米の「統合作戦司令部」設置を中心とする「台湾有事」態勢であり、このための作戦・演習の強化、戦力・兵站調整にわたる全般的有事態勢づくりだ。この新たな戦争態勢の実態を徹底的に把握し、暴露し、戦争態勢と対峙することが求められる! また、今回の2+2で特に強調されたことは、南西諸島における日米の兵力配置と強化についてである。以下は要点! 「3.日本の南西諸島におけ

          ●日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表について

          ●米海兵隊「フォース・デザイン 2030」の更新

          ●「フォース・デザイン 2030 年次更新」(2023年6月)は、「米海兵隊戦力デザイン2030」として2019年7月、米海兵隊総司令官・デビッド・H・バーガー米海兵隊大将が打ち出した海兵隊の再編計画の更新である。 周知のように、この米海兵隊の改変計画は、かつて米海兵隊のお家芸であった強襲上陸作戦を中国のA2/AD態勢下では歴史的に終焉した作戦として提示した。これに伴い、強襲上陸作戦で求められていた戦車、水陸両用車等を廃止・縮小した。「フォース・デザイン 2030 年次更新」

          ●米海兵隊「フォース・デザイン 2030」の更新

          海洋プレッシャー戦略に基づくスタンドイン部隊(23/11海兵沿岸連隊[MLR]新編式)

          この「スタンドインのコンセプト」は、米海軍の海兵沿岸連隊(MLR)の運用に関するガイドラインである。23/11、沖縄本島に米海兵隊の「フォース・デザイン2030」に基づく新たな海兵沿岸連隊(MLR)が発足した。この部隊こそ、米海兵隊の「遠征前方基地作戦」(EABO)における最前線ー第1列島線の島々で戦う部隊である。 文書では、「待機部隊」(SIF)とされ、この部隊は、第1列島線の島々で同盟軍(日本・フィリピン)と共同作戦を行うことが提示されている。また、米軍が、中国軍のこのA

          海洋プレッシャー戦略に基づくスタンドイン部隊(23/11海兵沿岸連隊[MLR]新編式)

          対中国戦争へ突き進む日米の南西シフト

           「特定重要拠点空港・港湾」策定による空港・港湾の軍事化 昨年の日本の軍事化の中でもっとも顕著な動きは、11月の事実上の日米共同演習である自衛隊統合演習において、南西諸島だけでなく九州から岡山に至る民間空港を使用した戦闘機の演習(タッチアンドゴー)が行われたことだ(写真は徳之島空港でタッチアンドゴーを行う空自戦闘機)。 演習は、徳之島、奄美、大分、岡山空港などで行われたが、民間空港に突然現れ、轟音をたてて離着陸を繰り返す戦闘機に地元では驚きの声が広がった。 なお、自衛隊

          対中国戦争へ突き進む日米の南西シフト

          ●天皇のイギリス国王との「軍隊閲兵」は、日本国憲法の違反行為だ!

          6/25の天皇に対する「イギリス軍隊の閲兵」は、イギリスが日本国天皇を「日本国元首」として、正式に承認することである。「訪問国軍隊の閲兵」は、特に訪問国元首との「共同閲兵」は、元首以外は行わない(近衛騎馬隊司令部の閲兵場)。 また、この閲兵に合わせて、グリーン・パークなどでは、最高位の敬意を示す41発の礼砲が撃たれた! (かねてから、裕仁天皇以来、天皇が外国訪問の際、「元首」として振る舞っていると言われている。) *全てのメディアは、この天皇とイギリス国王との「軍隊閲兵

          ●天皇のイギリス国王との「軍隊閲兵」は、日本国憲法の違反行為だ!

          甦る皇軍=旧日本軍

          2024/6/4付琉球新報は、陸自第15旅団のホームページに、第32軍牛島司令官の「辞世の句」掲載が、「皇国において沖縄が甦ることを願う」内容であり、最近の自衛隊幹部の靖国神社集団参拝と合わせて「自衛隊は皇軍に戻るのか」、と厳しい批判を行っている。 筆者は、先月、中国の北京師範大学で、同様のテーマで講義を行った。この講義の一部をパワーポイントで紹介する。

          甦る皇軍=旧日本軍

          ●自衛隊制服組の、度重なる靖国集団参拝の強行を阻もう!

          陸幕副長以下22人の靖国集団参拝、海自幹部候補生165人の制服着用での集団参拝(1957年年以降実施、今回で67回目)、宮古島駐屯地司令以下20人の制服を着用した宮古神社参拝、そして、遂に「靖国神社宮司」という最高責任者への、海自元海将の就任に続き、 陸自高等工科学校生徒・約350人(元少年自衛官)の靖国集団参拝が明らかになった(ツィッターで堂々と公開)。(表紙写真は、元海将・元防衛省情報本部長・大塚海夫) (靖国の10人いる崇敬者総代に、2012年に元統合幕僚会議議長・寺

          ●自衛隊制服組の、度重なる靖国集団参拝の強行を阻もう!

          「台湾有事」論――新時代の米台関係攻撃的な中国への対応(米外交問題評議会CFR)

          ●外交問題評議会(CFR)について                   外交問題評議会(略称はCFR)は、1921年に設立された米国のシンクタンクで、外交問題・世界情勢を分析・研究する組織であり、米国の対外政策決定に対して著しい影響力を持つ。外交誌『フォーリン・アフェアーズ』の刊行などで知られている。評議会員の主張の多くは、外交問題評議会の「凝縮された政策提言」への叩き台に使われるケースが多いという。また、『フォーリン・アフェアーズ』には米国の重要な外交案件が示されるとする意

          「台湾有事」論――新時代の米台関係攻撃的な中国への対応(米外交問題評議会CFR)

          ●沖縄ー全国で、「特定重要拠点空港・港湾」指定による軍民共有=軍事化を阻もう!(徳之島空港でタッチアンドゴー)

          本日、メディア各紙で、安保関連3文書に基づく「特定重要拠点空港・港湾」の指定決定が報じられました。沖縄各紙ほか、東京新聞・共同・読売新聞・毎日新聞・NHKほか、全国一斉です(朝日と産経を除く)。 これは、政府・防衛省が、全力を挙げて「台湾有事」への海洋限定戦争態勢作りに乗り出したことを意味します。 しかし、これを今、唯一拒んでいるのが、沖縄ー沖縄県知事のたたかいで、県管理の与那国・石垣・宮古島空港・宮古島下地空港などへの指定を拒んでいます。 しかし、市管理の石垣港や、国

          ●沖縄ー全国で、「特定重要拠点空港・港湾」指定による軍民共有=軍事化を阻もう!(徳之島空港でタッチアンドゴー)