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*NHK「グローズアップ現代」の「ある自衛隊員の自殺」についての批評

*NHK「グローズアップ現代」の「ある自衛隊員の自殺」について
ある自衛隊員の自殺
 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4500/index.html?fbclid=IwAR1MHCc-KCpVmcqqUEGwlxWE-pKYPC-rxgqr9MYBoe7TSfTd-7UXBHSEVbY

この企画は、NHKとしては優れているが、「自衛官の自殺問題」の原因究明について、完全に的外れ、ずれてしまっている。

キャスターの武田氏、柳澤協二氏(元防衛省人事教育局長)とも、隊員の自殺の多さ、原因について、“マッチョ文化”「組織の強靱性」を背景・原因とし、その解決には「仲間を大事にすることが必要」(柳沢氏)などと、精神論的な方策を提示しているのみだ。

とりわけ。柳沢氏は、防衛官僚の時代からその対策の中心にいながら、この自殺問題を全く解決することができなかった。

自衛官の自殺は、そのほとんどは、隊内のパワハラ・いじめが原因であり、それらが生じるなか、隊員らが鬱状態に追い込まれ、治療を申し出、さらには退職を願い出ても、ほとんどが放置され、「怠けている」「だらしがない」として、さらにパワハラが継続されているのが実態だ。

第3ー海上自衛隊新隊員点呼


つまり、自衛隊内の人権の軽視ー命の軽視ー「上官の命令への服従→絶対命令服従義務」という、自衛隊の軍紀の根源そのものに原因があるということだ。

この実態に全く迫ることができない番組は、隊員らの生活環境の場を「寮」生活であると、繰り返し、とんでもない勘違いを行っている。隊員らが置かれている生活環境は、「24時間勤務態勢下」の、「営内班・内務班」であり、「柵内ー基地」から外出する自由のない「兵営」である(処罰としての外出禁止も頻繁に)。

第2ー新隊員内務班員

つまり、NHK番組は、この「兵営を軸とする軍紀」が、パワハラ・いじめの温床であることについてのの基本認識に、根底から欠けている(もっとも、最近は、下級幹部自衛官にまでパワハラが頻繁におきているがー)。

このような認識でいる限り、自衛隊は永遠にパワハラ・自殺問題を解決できない。現在の環境下(有事態勢への演習激化)では、パワハラは爆発的に増加するばかりである。

ドイツの例が取り上げられているが、筆者らは、自衛隊独自の解決は不可能であり、自衛隊に「軍事パーソン制度」の導入を一貫して訴えている。
*筆者の主催する「自衛官ホットライン」には、年間300~400件の隊員らの相談が寄せられている。 
・その資料として「公開版」の「自衛官人権ホットラインの相談室」掲を参照   https://8701.teacup.com/hotlines/bbs

・関連する資料 『自衛隊 この国営ブラック企業』(小西 誠著)の「プロローグ」を「試し読み」で公開!
http://hanmoto.tameshiyo.me/9784907127114

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