入社3年目に気づいた、アートディレクターになるまでのお話。第一回

1. 私の今のお仕事

入社当初に書いたnotoの記事から約2年。ついに社会人3年目に突入しました。時の流れは恐ろしいものです...。

私はSteve*inc.にアシスタントデザイナー(以下aD)として入社し、現在はアシスタントアートディレクター(以下aAD)として日々業務をしております。aD→aADになったのは、クリエイティブをしていく上で、デザインができるのは当たり前のことで、どのポジションの人も制作する上で問題や解決策について考え、「軸」を持ってクリエイティブに携わって欲しい。という意向からそうなりました。

なので、私が今やっているaADは「アシスタント」とはついているものの、デザインするだけではなく、制作物の進行管理、制作方針・提案方法なども考える力が必要になり、それをクリアできないとアートディレクター(以下AD)にはなれません。

入社当初は、デザインデータ制作の補佐、リサーチ業務が多かったですが、最近では上記でいった制作物の進行管理、制作方針・提案方法などを作成するAD業務を、AD監督の下させていただく案件が増えてきました。


2.AD業務を体験してみて思ったこと

そんな私がデザイン業務をある程度乗り越え、ADの業務を経験させていただいた際、思ったことは、

ADつらすぎる。

最初はこの言葉が常に頭に浮かんでいました。今では少しずつ慣れてきて楽しいことも増えてきましたが、はじめは、なんかよくわかんないけどまじむず、つら、帰りた(リモートワーク)。と思っていました。
実際に、具体的に辛かったことを思い出してみました。

①クライアントの与件・悩みを短期間で深く理解すること
ありがたいことに様々なご縁があり、様々な業界からご依頼を受けます。その中には、自分が人生で一度も携わったことない領域の話も出てきます。知らないまま制作をすることはほぼ不可能なので、全部とは言わずとも、自分で噛み砕いて説明ができるくらいまでは理解する必要があります。

②制作の方向を複数決めること
提案をする際、1つで勝負!ということはほぼありません。全く違う方向性を複数出したり、方向性は一つで、アイデアが違うものを複数提案したりと、案件によって適切な提案方法を探ります。そしてその1つの案が変わると、他の案にも影響して全部考え直しということも......。

③制作方針を私が取り決め、他の方にデザインしてもらうこと
弊社では、案件でAD業務を担当する人、デザイン業務を担当する人と役割分担を決めることが多いです。自分がADを担当した時、もちろんデザイン担当の方に依頼をするのですが、その方向性が固まっていなかったり、急な変更があると、どうしても人間としての感情が出てきて申し訳なくなってしまいます......泣

④作った制作物の言語化・いい感じに見えるように喋ること
提案する際の話し方、話す順番はクリエイティブの印象を大きく左右します。自分たちの自信があった案だとしても、そのコンセプトがうまく伝えられなければ、よくない案として判断されてしまうことがあります。


3.なんとなくわかってきたこと

このように、ADは私が想像していたよりもずっとずっと「見えない業務」が多い職業でした。
なんとなくじゃ後から絶対に崩れてしまうし、崩れてしまうと自分の業務だけではなく、他の人の業務も一緒に増えてしまう。そんな責任が大きいポジションなんだな。と改めて感じました。

しかも、提案するまで正解がないので、1回目の提案ですんなりいい反応をもらう時もあれば、逆に自分たちの自信作でも見向きもされず却下される時もたくさんあります。

そんな中、ADになる上でとても大事だなということに気づきました。それは、

正解はないけど、正解したことを貯めていくこと

これは、どっちにすべきか?どう解決すべきか?等という判断を迫られた際、過去の成功した事例を引き出し、そのエッセンスを使うことで、より確実な解決方法を導き出していくということです。

過去の事例の焼き直しってこと?となる方もいると思いますが、世の中にある「新しい」とされていることも、既存のいろんな要素の掛け合わせが多いと思います。

なので、これから提案したい「新しいこと」と、過去に成功した「より確実な解決方法」を掛け合わせることで、説得力のある、クリエイティブパートナーの方に安心してGO!と言わせるクリエイティブができると思うのです。


4.これから

今まで述べてきたものは当たり前っちゃ当たり前なことだとは思うのですが、日々業務を行う上でこれを意識してするかしないかだと、いざ判断!!!となったときに、思いつくことの質が結構違うような気がするのです。

どのような時に、どのような判断をしたのか?そしてそれはいい判断だったのか、悪い判断だったのか。

しっかり判断の貯蓄ができるように、これから私が日々の業務で起こった出来事をまとめていきたいなと思い、このnoteを書きました。

長くなってしまいましたが、これからよろしくお願いいたします!


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