ある夏の日曜日 アメリカのおへそ辺りで
毎年恒例の夏休み長距離ドライブ旅行。ちょっと一休みに、一番近いスタバを目指して高速を140kmでずっと飛ばして走っていた。幾つかの高速道路が交わる田舎町で出口を降りた。
店の周りをドライブスルーの車の列が一周している。私はすぐ横のホテルの空き駐車場に車を停めて店内に入った。
入った瞬間から何だか雰囲気の良さが伝わってくる。
ぽっちゃり目のメガネ女子。
背が高くて大柄な女子。
そして、金髪ボブカットでドライブスルー担当女子。
みんな生き生きと働いている。チームワークも良さそうだ。
何だろう?このほんわかした心地良い感じ。
かかっている音楽は、男性ボーカルの低音で丸みのあるスロージャズ。変に陽気でもなく、暗くもなく、でも明るい。程良い耳心地で気分がほぐれる。
狭い店内を見回した。
窓側の一番奥のテーブルには、パリッとしたシャツにピシッと折り目の入ったズボンの男性と品の良さそうな女性ふたりが座っている。男性が手振り身振りで話しているさまは、まるで何か女性達にレクチャーをしているようだ。
日曜のお昼前。教会の帰りだろうか?
オーダーした後の待ち時間。何人かの常連客が、メガネ女子といつものらしい挨拶を交わして、コーヒーを手に店を出て行く。
「He~y(ヘェ~~~ィ)」と、声のトーンが少し低めになり会話が始まるのですぐに常連と分かる。というか、分かりやすい話し方だ。
ひとりのおばさんは、「ジェシカ!ジェシカぁ~!あんたも忙しいわねぇ、カッカッカッ」と店中の注目を浴びるように大声で言って笑っている。
呼ばれたボブカットの女の子は、ナニナニ?とドライブスルーに向けていた身体を店内に向けて、おばさんにニッコリ笑いかけていた。
知り合いの子か娘か分からないけど、ちょっと誇らしい感じのおばさんと目があってしまって、私もニッコリ笑顔で返した。
横に細長い窓際にズラリと並ぶ濃い木目のハイチェアとテーブル。どれも二人掛けで、ちょっと腰掛けるのに程良い高さだ。
店の反対側の奥には、「どこに行きたい?」とアメリカが真ん中の世界白地図が貼ってあり、その下には立て看板型の黒板が置いてあって、「あなたに必要なものは何?」と書いてある。
立て看板の上に随分と減ったポストイットと黒のマーカーが置いてある。
立て看板には店のロゴも隠れるほどポストイットが所狭しと貼られている。
白地図に刺さっている大量のピンは、フロリダ辺りに密集しているかと思えば、額の周りにびっしりと貼られたポストイットの中には、Egypt!と書かれたものもある。
キャッシャーの横には、今週のバリスタを紹介する掲示板。彼女の名前はマデリンだ。
大柄女子かメガネ女子か、どっちの子だろう?
脱力系インドア派なのかな?
どうやらシャカシャカとシェーカーを振っているのはメガネ女子らしい。
と、店内の活字を拾って目を遊ばせている間に、私の名前が呼ばれた。
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* crouching:しゃがむこと
sleeping in:朝ゆっくり起きること(遅くまで寝てること)
dimension 20 :カレッジユーモアのコメディドラマ、今のところseason2まで
Squishmallows:大きくて丸くて柔らかいモフモフ系のぬいぐるみ
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私がフォローさせて頂いているnoterニャークスのヤマダさんの企画に乗ったつもりですが、何だかズレてたらごめんなさい。
たまに旅先で心に留めておきたい情景を一気に書くことがあって、今回もそんな感じで降りてきたものです。素敵なお店は、店員さんの対応が気持ち良いし、活気がありますよね!