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食の安全を考える

過去記事 台湾のnpoのニューズレターに頼まれ寄稿したもの。     過去の記事ですが、農薬の危険性は現在進行形
ネオニコチノイドは自治体でも積極的に散布する事が多くかなり危険です。

·2016年7月20日水曜日·1分
食の安全と聞いて何が頭に浮かびますか?農薬?添加物?遺伝子組み換え? それとも、最近は放射能ですか? 今ちょっと考えただけでもこんなにたくさんのものが、あがってきます。
現在、周りに溢れている食品はどうなのだろうか?いろいろ深刻な状況になってきているように感じています。 台灣に来たばかりの頃、台灣の人たちに日本のものは綺麗だし安全でいいものばかりだ。台灣は危ないものや農薬もこわい。と言われました。日本からの駐在で住んでいる日本人ママたちも、台灣のものは農薬もこわいし、添加物も怖いし、日本のものが恋しいと話すのを耳にするたび本当にそうなのだろうか?と 疑問がふつふつと湧いていました。
日本に住んでいてシングルで子どもがいない時にはそんなに気をつけようとか思っていなかったのですが、妊娠しこどもを出産してからは。いろんなことが気になり、これは子どもに大丈夫なのだろうか?という不安や思いが大きくなり調べたり学習したりしました。 最初に、食の安全について私が気になったのは、農薬についてでした。 残留農薬や、輸入の果物や野菜に大量にかけられるクスリ。 バナナをはじめグレープフルーツなどは残留農薬が怖くて妊娠中はもちろんこどもが産まれてからも食べさせませんでした。 私が働いていた保育園は公立の保育園でしたが、こどもにバナナやオレンジ、グレープフルーツなどの輸入果物はいっさい給食やおやつでは出していませんでした。 そんなことも、私に残留農薬の事を考え始めるきっかけになっていたと思います。
遺伝子組み換えや放射能 添加物と いろいろ範囲が広がりすぎると、まとまらなくなるので今回は農薬問題もについて少し 書きたいと思います。
農薬の中でもとても恐ろしいと最近話題になっているネオニコチノイド。これは、ちょっと検索するとどういうものか沢山出てきます。是非、調べてみてください。
ネオニコチノイドの問題点を簡単にまとめると
(1) 生態系への影響   ミツバチが減少し世界中で大きな問題になった事は最近よく知られるようになったのではないでしょうか。虫の神経系を狂わせるということも問題です。
(2) 高い浸透性 ネオニコチノイド系の農薬は水溶性です。洗うだけでは農薬はなくなりません。 水溶性なので、水に溶け込み葉や茎、根から吸収され全体に行き渡ります。花弁や花粉にも農薬の成分が行き渡るのです。また、水田から水路に流れた中にネオニコチノイドの成分が流れ込むと 周辺すべてが影響を受けることになり、範囲は膨大に広がります。
(3) 高い残効性 苗の時に、薬を撒くとその後何度も、散布する必要がありません。なので、人手や手間がいらない農薬として重宝がられます。ということは、その野菜や米など作物が食卓にあがり食べる時にもその農薬が残っているということになります。
のどかな田園風景や果樹が広がる場所、自然がいっぱいで気持ちいいと錯覚しがちですが、そこは農薬が大量に散布され、周辺のこどもたちにあきらかにおかしいという症状が増え調べたところ、ネオニコチノイド系の農薬が大量に散布されていたということがわかったという報告書を読んだ時背筋が寒くなるような気がしました。
平久美子医師(東京女子医大講師)によると、ネオニコ系はヒトに摂取されると、中枢神経系や自律神経系、骨格筋に関連する多彩な症状を引き起こす。脈の異常、指の震え、発熱、腹痛、頭痛、胸痛などのほか、短期の記憶障害も起きる。胎盤を通過するから、妊婦が摂取すれば胎児が影響を受ける。とあります。実際に群馬で松くい虫の防虫の為に空中散布されたところ、周辺の住民やこどもたちに中毒症状がでた事例や信州の果樹園の近辺のこどもたちに、やはり中毒症状がでたり発達障害のこどもが増えた例などあります。
脳神経科学者の黒田洋一郎・元東京都神経科学総合研究所参事研究員は、ネオニコ系農薬が発達障害の原因になっている疑いが濃いという報告をしています。「脳の機能の一部が損なわれて起きる発達障害は、アメリカや日本で急増している。子どもは有機リン系殺虫剤に低濃度でも曝露されると、発達障害の一つ「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」になりやすいことを示唆した疫学研究が、2010年にアメリカで発表されている。ネオニコ系も同じ作用を持つと考えられる。」と報告しています。
私は、保育士や学童期のこどもたちとかかわる仕事を20年以上していました。こどもたちをみていて、明らかにアレルギーや、発達に問題があると思う子どもが増えたと感じることが度々ありました。 食との関連や環境の悪化など。大きく影響しているのではないかという思いを抱きながら仕事をしていました。
日本の農薬の安全性審査では、子供の脳の発達に与える影響などは全く調べられていません。農林水産省も厚生労働省も、日本の安全性審査は現在の科学的知見からみて十分であり、残留農薬基準は平均的な日本人の食生活を想定し、健康に影響がないように設定してあると説明しています。
しかし実際には、 世界が、ネオニコチノイドの危険性を問題視し禁止していく一方で、日本はまるで逆方向、2015年厚生労働省は、ネオニコチノイド系農薬2種類の基準値を緩和しました。 それにより ほうれん草は今までの基準値の13倍の残留基準値になりました。今までも諸外国よりゆるい基準値だったのがさらに13倍もゆるくなったのです。  この残留農薬基準値は2015年以前にも2回にわたり、緩和しています。
ホウレンソウのイミダクロプリドの残留基準は15ppmですが、仮に基準値並みのイミダクロプリドを含むホウレンソウを6歳以下の子供が80g食べたとすると、急性中毒を起こす可能性がある量を摂取してしまいます。 人体に影響がでるような残留基準値というものはなんの意味があるのでしょうか? こういった事を見ると、農林水産省や厚生労働省など安全の為の検査などまるでやっていない、もしくはそういう研究をしている大学には研究費をエサに、隠蔽や都合のいいようなデータだけを取り上げて、いるのではないかと疑いが出てきます。
そして、日本の農薬残留基準値は、作物を購入し食する人々のことを優先するのではなく、農薬を販売する薬品会社を優先していることがはっきり見えてくるのではないでしょうか。 つい最近台灣のニュースで日本から輸入した果物や野菜の残留農薬がひどすぎて台灣で販売できないというものが年々多くなっているというニュースを見ました。日本のNHKのニュースでも放送されました。
放送内容は日本産のイチゴの残留農薬が原因で台湾に輸出ができないという内容です。イチゴに使用されたヒトロメジンという農薬の日本の基準値は、台湾の200倍という内容です。台湾では、0.01ppmが残留基準値です。日本は、2ppmという基準値なのです。しかし日本での放送内容は危険性を訴えるというよりも、基準値が違い輸出できないからどうしたらいいだろうか。というような感じで、放送を見て日本の農薬の基準の甘さや危険性を感じる人がどれだけいたのかは疑問です。 日本のものは安全という神話のような考えは改めた方がいいとSNSでつぶやいたら、「知らなかった。」「驚いた。ということは日本国内で知らずに流通され食べているのか!?」という反応がたくさんの人からありました。
国内では大きなメディアは危険性を取り上げません。企業や国の都合の悪いことは知らされない事が当然だと思ったほうがいいのではないかと思います。 参考の為 日本の農産物が残留農薬が原因で輸出できなくなっている量が増えているというグラフを載せておきます。

食の安全 ぐらふ



(出典 NHKニュース)

食の安全2

食の安全3


(出典 有機農業ニュースクリップ) (出典 有機農業ニュースクリップ)

  このような数値はごく一部ですが、それを見ただけでも本当に台湾の方が農薬が危険で日本は安全でいいものを売っているのか?という思いは強くなります。 この残留農薬農産物が輸出出来ないことについて日本の農林水産省は、日本の農薬について規制をするのではなく、輸出用に農薬を少なくするものと日本用に今まで通りのものと分けて作るようにという事や、輸出する国の残留農薬基準を緩めるように求めるなどというようなとんでもない回答をしています。
今後、台湾も注意深く見ていく必要がありそうです。

こどもの発達障害などの原因のひとつではないのですが、発達障害や脳への影響について書いたり発信したりすると、発達には凹凸があり、障害とみるのではなく、個性として受け入れ接するべきである。なんでも障害や病気だというのはよくない。とされることがあります。             確かに、いろんなこどもがいて発達も凹凸があるのは十分に知っています。そして、それぞれを受け入れ対応していく社会はもちろん重要だと考えています。しかしその一方でこういった論調が強調されることで重要な原因が隠されてしまい、物事の本質がすり替えられているように感じます。 本当に危険なことが隠されてしまっては、なにも解決しないのですから        
毎日、私たちは食事をします。口からはいる食べ物は身体に直接影響を与えます。それは自分自身だけでなく未来の人にも与えます。 妊娠する前から、蓄積されたものが新しい命に影響を与えます。それは男女どちらも影響を与えるのです。
そんな事気にしていたら食べるもの無いじゃないの、オーガニックとかはお金がかかるし、高いから無理とよく言われます。が、そうやって受け入れてしまっていることが、自分たちの首をしめているのではないでしょうか。 高いからと言いながら、安いものを安いからと言って大量に購入し使い切れずに冷蔵庫の中で賞味期限切れになり最終的に廃棄したりしていませんか? 
食の安全を手に入れるためには、売られているものがどうやって作られているか、農薬はどうなのかなど知ろうとしなければならないし、自分でつくれないのならまっとうに作られている作物を作っている人に、その労働にあった対価を払いまっとうに作る人を支えなければ安全な作物は手にはいらないと思ったほうがいいのではないでしょうか。 国は人々の健康や安全を優先して取り組んではくれません。
自分たちや未来のこどもたちを守るためには、自ら知ろうとし危険だと思われるものには、はっきりと拒否し声にすることをしないとどんどん状況は悪くなるのではないでしょうか?                    台灣の食の安全も心配な事が多いです。しかし今、台灣に住んでいながら 日本の食の安全について憂慮しています。

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