こどもとおもちゃの関わり
東日本大震災以前は、木製玩具の販売と同時におもちゃや遊びこどもとのかかわり方などについて公民館や子育て支援センター学校等で呼ばれて行った場所でいろんな話をしていたのです。震災で避難して移住したあとは、その活動も仕事もしていなかったのですが、以前の資料が出てきたのでこれを書き留めておこうと思いこちらに書いておくことにしました。
良いおもちゃとはどんなおもちゃ
よく、どんなおもちゃが良いおもちゃですか?良いおもちゃって何が違うのですか?と聞かれることがあります。或いはこどもに買うのにどんなものを買えばいいのか悩むという声も聞きます。
悩む方はある意味いい方で、こどものおもちゃなんかすぐ飽きるしなんでも同じでしょ?というような人よりは1,000倍、子どもの事を考えているので素晴らしいと思うのです。
という事で、良いおもちゃとはなんでしょうか?と聞かれたら
「遊びチカラ」を引き出してくれるおもちゃです。と私は答えています。
では遊びチカラとはなんでしょうか?
☆見る力
☆聞く力
☆感じる力
☆コミュニケーションする力
☆夢見る力
五感を使うことが大事です
遊びを通して人は生きる力を身につけていくと考えています。
現在のこどもたちと昔のこどもたち
3つのキーワード
☆センスオブワンダー
レイチェル・カーソンの著作で有名な「センスオブワンダー」自然に対してドキドキワクワクできるセンス(感性)というものが大事なのですが、その感覚がなくなってきている子どもたちが増えていませんか?
レイチェルカーソンの言葉で、「知るという事は感じる事の半分も大切ではない」という言葉があるのですが、昔は本でひたすら調べたりあれやこれややってみたりして時間をかけて気になることを調べたのですが、最近は知識がまず先にきていて気になるとパソコンやスマホですぐに検索すると出てきますよね。
あれこれ感じる前に知識が来ている事はないでしょうか?
こどもが実際に体験し感じたこと、表現したことを大切に知識より感性をまず大事にしているでしょうか?
☆メディアハザード
テレビ、PCゲーム、DVD(これは15年前のことです)現在はここにスマホ、タブレット、YouTube動画などが加わりますね。
15年前くらいかな、当時ハイテク系ゲームやDVDなどメディアに費やす時間が小学校1年生で年間2000時間という報告が出ています。学校の授業が年間700時間という事を考えたらものすごい量をゲームやDVDに費やしているという事です。という話をしていたのですが、15年前から現在はどうか、DVDより現在はYouTubeがはいりスマホを早くから持つ子もいます。
タブレットも使います。コロナ禍で外に出る機会も少なかったでしょう。まだ歩くのもままならない年齢の子がベビーカーに乗って移動しながらスマホを持って動画をじぃーと見ている光景もめずらしくなくなりました。
15年前、こどものコミュニケーション能力が急激に低下しています。という事を言っていたのですが
現在の状況を考えると悪化してしまっているのだろうなと思う要素が満載です。ハイテクゲームや動画にどっぷりはまると、どん欲に人を求めることが少なくなります。必要性を感じないためです。まばたき忘れるくらいにゲーム画面に熱中し、動画が次々刺激を与えてくれ一人でいて退屈するという事がなくなっています。
☆シンデレラホルモン
こどもの就寝時間がどんどん遅くなっていませんか?赤ちゃんの年齢でも11時12時という事が多いと新聞記事に出ていました。夜ふかし社会になってからずいぶん経つように思います。
メラトニンというホルモンがあります。このホルモンは情緒を安定させる働きがあり心を休めて穏やかにする役割のホルモンです。
このメラトニンは夜中の12時にたくさん出るホルモンで熟睡している時に出ます。なのでシンデレラホルモンとも呼ばれるのです。
0歳から3歳までがピークで最もホルモンの分泌が盛んになる時期です。そこから徐々に下降をしていくので、0歳から3歳までは特に睡眠が重要ということです。熟睡している夜中の12時にたくさんホルモンが分泌されるので、逆算すると夜の9時には就寝していないといけないということです。
なぜ、睡眠が大事なのかは、健やかな眠りがあってこそ、翌日に豊かな活動ができるということなのです。
昼間に、情緒が落ち着かない、集中できないなど、メラトニン不足が関連している部分があります。
子どもの睡眠について詳しく知りたい方は、岩波ブックの「子どもの睡眠」著者、神山純医師 の本に詳しく書かれています。
昔は、こどもは9時には寝てと早く起きてという時代がありました。
早寝早起き、三食食事をして思い切り遊ぶという生活はこどもの体や心に大きく影響を与える事なのですが、現在はずいぶん変わってしまっているような気がします。
手仕事をしないこどもたち
おもちゃがハイテク化になってからずいぶん経過します。電池のものからITゲーム機になり、今やベビーカーに乗りながらスマホやタブレットを見ている乳幼児を見ることがめずらしくなくなりました。
ハイテクゲーム機での遊びは、誘導・管理されている遊びです。
一見自分で考えてボタンを押したり機械を操作しているように思いますが、それはゲーム開発者の考えた世界の中で誘導されているだけで、創造力や思考力など脳は使っていません。手を使っているのですが、いわゆる条件反射的な感じで動かしているというようなものなのです。
ハイテクゲームも動画も一方的な受け身の状態だということです。
手を使うという事で言うと、積み木は手で掴み積むときに崩れないようにバランスも考えます。造るものの全体的な構成や色があれば色の配分、そんなことを総合的に同時に考えながら積み上げる手の力を加減したりしていく遊びです。
遊びのカロリーは偏ってませんか?
ハイテクおもちゃは、こどもが遊ばれている状態です。
こどもが主体的にかかわれるシンプルだけど変化があるおもちゃはこどもが遊ぶおもちゃです。
そのおもちゃは、コミュニケーションを豊かにするものかどうか?
一方的にこどもが遊ばれているおもちゃではないか?
笑顔と会話があふれるおもちゃか?
ゲームなどハイテク系のものは高カロリーのもの、食べ物で言うとスナック菓子かな。木製の積み木などのおもちゃは、ローカロリーで主食みたいなもの。こどもが好きだからと毎食スナック菓子ばかりだと身体によくないですよね。おもちゃを買う時、選ぶ時に、このおもちゃは高カロリー?とかちょっと考えてみるのは大事です。
今回は、ここまで・・・。続きはまた今度です。
次回は、コミュニケーションを豊かにする遊びってなぜ大切なの? というテーマです
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