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細胞の研究動向

みなさん、こんにちは。ここでは、細胞の研究が今どんなふうに進んでいるのか、そしてどんな技術が注目されているのかを、できるだけわかりやすくお話しします。細胞というのは、私たちの体をつくっている小さな部品のようなもので、一つひとつが自分の役割を持っています。たとえば皮膚の細胞、筋肉の細胞、神経の細胞など、形も働きもさまざまです。昔は細胞の中を詳しく見ることはとても難しかったのですが、近年、顕微鏡や分析装置の進歩などによって、細胞の中身をより細かく観察できるようになりました。

細胞研究の中で、特に話題になることが多いのは「iPS細胞」や「ES細胞」といった再生医療の分野です。iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、皮膚や血液など、すでに分化してしまった細胞に特殊な遺伝子を導入することで、さまざまな細胞に変化させる力を取り戻した細胞のことです。これにより、体のどこかが傷んだときに、その組織や臓器を修復するための細胞を人工的につくることが可能になるかもしれない、と期待されています。すでに、患者さん自身の細胞からiPS細胞をつくり、その細胞を使って組織や臓器を再生する研究が進んでいます。たとえば、パーキンソン病や心臓病、さらには脊髄損傷など、長らく難病とされてきた分野での治療法開発が期待されています。

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