第二シルミウム信条(AD 357)

http://www.fourthcentury.com/index.php/second-creed-of-sirmium-or-the-blasphemy-of-sirmium/

http://www.earlychurchtexts.com/public/creed_second_of_sirmium_357_blasphemy.htm

より。英訳からの重訳。

シルミウム教会会議(AD 357)で採択。「アノモイオス(≒相似でない)派」の思想が表れているとされる。アリウス派の最盛期を象徴する信条とも言われ、ニケーア派からは『シルミウムの冒涜』とも呼ばれる。

[]内は邦訳者の注あるいは補足。


:::::以下訳文:::::


 信仰についていくらかの誤解があるようであるので、シルミウムにおいて、我らの最上の聖者なる兄弟たちと司教仲間たち、Valens、Ursacius、Germiniusの面前で、全ての点が注意深く調査され議論されてきた。


 一なる神、全能の御父がいるということは、全世界において告げ知らされているように、確実に保持されている。


 そして彼の唯一の生まれし御子、我らの主イエス・キリスト、諸時代より前に彼から生じた方[についても保持されている]。そして我らは二つの神々を語ることはできない[こともそうである]。なぜなら主自身が「私は私の御父であなたがたの御父、すなわち私の神であなたがたの神のところへ行く。」(ヨハネ 20:17)と言ったのである。この故に彼は全てのものの神である。それは使徒もまた「彼はユダヤ人だけの神であろうか、諸々の異邦人の[神]でもあるのではないか?そう、諸々の異邦人たちの[神]でもあるのだ。なぜなら一なる神がいて、彼は割礼済みの者たちを信仰から、無割礼の者たちも信仰によって、義認する方なのである」(ローマ書 3:29, 30)と教えるごとくである。

 そして他の全てのことについては一致しており、なんの曖昧さもない。


 しかし多くの人々は、ラテン語でsubstantia[(スプスタンシア)]、ギリシア語でουσια[(ウシア)]と呼ばれるものに関する諸々の疑問によって混乱させられている。つまり、より正確にそれを理解しようとするなら、「本質において相同[(ホモウシオス)]」あるいは「本質において相似[(ホモイウシオス)]」と呼ばれることについてである。教会においてこれらのいずれについての言及も、それらについての提示も、全くあらざるべきである。

 というのも[これは以下のような]理由と考慮による。すなわち、それらについて神聖な書において何も書かれていないこと。それらは人の知識を越え、人の理解を越えていること。そして「誰が彼の産生について言明するというのか?」(イザヤ 53:8[דור(世代、産生)])と書かれているように、誰も御子の産生について言明できないからである。というのも、どのように御子を生じさせたのかについて御父のみが知っており、またどのように御父から生じさせられたのかについて御子[のみが知っている]ということは明白なのである。

 そして誰にとっても、御父がより偉大であることは疑問となり得ない。誰も御父が栄誉と尊厳と神位において、そしてまさに御父の名において、より偉大であることを疑い得ない。御子自身が「私を遣わした御父は私よりも偉大である」(ヨハネ 10:29, 14:28)と証言しているように。そして誰も、以下の普遍の教義について無知ではない。すなわち御父と御子の二つの位格があって、御父がより偉大であり、御子は彼に御父が従属させた万物と共に御父に従属したこと。そして御父は始まりなく、見えざる方であり、不死であり、受苦しない一方で、御子は御父から生じさせられ、神よりの神、光よりの光であり、前述のように彼の起源について、誰も知らず、御父のみが知っているということ。そして御子自身は、すなわち我らの主で神である方は、かの天使が前もって告知したように、処女マリアから、肉、つまり体、つまり人となったということ。そして全ての聖句が教えるように、特にかの使徒自身、異邦人の師が[教えるように、]キリストは処女マリアより人となり、それ[人体]を通して受苦したということ、である。


 そして信仰全体は以下に集約され、保護された。すなわち、三一[なる神]は常に保たれるべきであるということ。かの福音書において「行け、そして全ての国々に御父と御子と聖なる御霊の名において洗礼を授けよ。」(マタイ 28:19)と読むごとくである。

 そして三一の数はこれで全部であり完全である。弁護者、すなわち聖なる御霊は、御子を通して遣わされ、使徒たちと全ての信徒たちを教え、聖化するため、約束に従って来たのである。

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