アリウスによるニコメディアのエウセビオスへの書簡(AD 318)

http://www.fourthcentury.com/index.php/urkunde-1

より。英訳からの重訳。

:::::以下訳文:::::

(1)
最も愛されし神の人、信仰深く正統であるエウセビオスへ、不当にも師父アレクサンデルにより、全ての勝ち取られた真理のゆえに迫害されているアリウスより。この[真理は]あなた、エウセビオスも守っているものである。

(2)
私の師父Ammoniusがニコメディアに行くので、彼を通してあなたに挨拶するのが合理的で適切であるように思われた。同時に、神と彼のキリストの故に兄弟たちに持っている生来の愛と情を思い出したのである。というのも、かの司教は酷く我らを破壊し迫害し、我らに対してあらゆる悪をもって行動しているのである。それゆえ、我らが彼の公的宣言に賛同しないので、彼は不敬虔な人々であるかのように我らをあらゆる都市から放逐している。その[宣言は]「常に一神が、常に一子が」あった、「御父が[在る]限り、子もまた[在る]」、「御父と共に「常に一神が、常に一子が[在る]」、「御父と共に、生まれぬ、常に生まれし、生まれることなしに生まれし、御子が、共存している」、「神は御子を局面や時間においては御子を発してはいない」、「常に一神が、常に一子が[在り]、御子は神自身から存在している」というものである。

(3)
エウセビオス、カイサリアにおけるあなたの兄弟と、Theodotus[テオドトス]、Paulinus[パウリノス]、Athanasius[アタナシオス]、Gregory[グレゴリオス]、Aetius[アエティオス]、また東方にいる全ての者たちは、神が始まりなく、御子に先立って存在していることを述べるので、彼らは弾劾されてきた。ただし、Philogonius[フィロゴニオス]、Hellenicus[ヘレニコス]、Macarius[マカリオス]といった、学がない異端は、ある者は御子は「流出させられた」、他の者たちは彼は「放射である」、また他の者たちは彼は「共同で生まれぬ者」だった、などと述べる。これらの者たちは、例外である。

(4)
たとえこの異端が我らを一万の死をもって脅かしたとしても、我らはこれらの種の諸々の不敬虔に傾聴することはできない。我らは何を述べ、考えているのか、また我らは以前何を教え、現在何を教えているのか。こう[教えているのではないか。つまり、]御子は生まれぬ者でなく、いかなる意味でも、生まれぬ実体の部分でなく、存在において[他の]何かからの者でもない。[御子は]意志と意向において、時間の前、諸時代の前に自立存在し、恩寵と真理に満ちた、神、唯一生まれし方、変わらぬ方なのである。

(5)
彼が生まれた、あるいは造られた、定められた、確立した、前には、彼は存在しなかった。というのも、彼は生まれぬ者ではなかったのである。しかし我らは、御子には始まりがあり、御父には始まりがないと述べたゆえに、迫害されている。我らは、非存在から彼が現れたと述べるゆえに、迫害されている。ただ我らは彼が神の部分でもなく、存在において[他の]何かの[部分]でもない。これが我らが迫害されている理由である。残りのこともあなたは知っている。

主にあって、あなたがうまくいくことを祈っている。我らの患難を覚えて、ルキアノス支持者の同朋である、真実にエウセビオス[敬虔なる者]と呼ばれる者へ。

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