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適切な技術力評価をするために工夫していること。プレゼンスキルだけが高い人が過剰に評価されないために。
技術力評価会の資料を更新したところ、ありがたいことにたくさんの反応をいただきました。
その中に下記2点を懸念する声がいくつかありました。
・プレゼンスキルだけが高い人が過剰に評価されるのでは。
・社内政治やコネを作るのがうまい人が過剰に評価されるのでは。
このような懸念をできるだけ顕在化させないための工夫をしており、それには、評価軸の理解、多様な視点、透明性が重要だと考えています。
評価軸の理解
評価軸は大きく1回、小さく1回変更しました。
最初のたたきはCTOが作成しましたが、実際に決まるまでにはたくさんの意見をもらいました。変更するときも上から決めるのではなく、ふりかえりで出てきた意見をもとにたたきを作成し、意見をもらいながら決めてきました。みなで考えながら改善することで理解が深まっていったと思います。
多様な視点
技術力を評価するのは難しいことです。1人の評価者が被評価者の全てを把握することは無理ですよね。VOYAGE GROUPでは、同じ部署の上長が実績を評価し、他の部署のエンジニア2人が能力(技術力)を評価します。普段一緒に業務していない人に客観的に評価してもらうことで、実績とは異なる視点が得られると考えています。
さらにここ2シーズンは社外からも評価者を招聘することで異なる視点を増やしています。社外評価者を選定するときは、様々な企業から招聘する、専門能力が高い、自社で評価者を経験している、などを考慮しました。おかげさまで社外評価者に評価された人の満足度は非常に高いものでした。
被評価者と評価者の組み合わせはそのシーズンが始まるまで分かりません。評価者候補は50人以上いるので事前に全員とコネを作っておくのは難しいと思います。組み合わせは、できるだけ過去の評価者とかぶらないようにしていますので、2年で4回評価されると、8人から評価されることになります。
透明性
情報を狭い範囲に閉じ込めておくと、外から見えなくなり、社内政治やコネが有効に働いてしまうリスクが増えると思います。技術力評価会では、評価資料および評価結果レポートはGitHubのプライベートリポジトリに格納し、社内に公開しています。
また、ここ1年くらいでは匿名OKのアンケートで声を拾うことも行ない、その結果も公開しています。
このように評価軸の理解を深め、多様な視点を持ち、透明性を保つことで、プレゼンスキルに誤魔化されたり、社内政治やコネに影響されたりしないようにしています。
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それだけではなく、評価者が本質的な技術力を評価できること、本質的な技術力以外が評価に反映されないことが重要だと考えており、評価者の成長にも力を入れてきました。
評価者の成長
評価者の評価スキルを向上していくことが必要です。技術力評価会という制度を始めてから300回弱はCTOがほぼ全ての回に同席していました。その上で評価者からの評価結果をCTOが受け取り、内容を確認したうえで被評価者にフィードバックしていました。CTOが横串で見ることで、ある評価者の良いやり方を他の評価者に伝えたり、制度自体を改善してきました。
現在は、評価会実施後にCTO/担当評価委員/評価者2人の4人が集まる場を設け、そこで評価結果のすり合わせを行うことで、結果レポートや被評価者へのフィードバック内容の向上を進めています。
また、透明性にも記載しましたが、評価結果レポートは社内に公開されていますので、他の人が書いた結果レポートを参考にすることができます。
まとめ
技術力評価は大変難しく、この制度が完璧だとは全く思っていません。上記のような工夫をしていくことで評価の精度を上げ、成長に繋げていきたいと考えています。
私たちが考え、実施していることを公開することで、誰かの参考になれば幸いです。