【声劇】かぞえ桜【朗読】
☆所要時間:約2分
☆人数:1人用
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🍀🌷は、群読のパート分け用の参考に。
🍀
はらり はらりと
風に舞う花びらを見上げ
🌷
私は思い出 数えましょう
あなたと桜の思い出を
🍀ひとつ
あいさつぎこちなく
🌷ふたつ
照れ笑いが重なって
🍀みっつ
もどかしい掌(てのひら)と
🌷よっつ
視線は空(くう)を切る
🍀いつつ
並んだ歩幅が縮まって
🌷むっつ
初めて知った手の温度
🌷ななつ
気恥ずかしくて目を伏せて
🍀やっつ
流れる沈黙と
🌷ここのつ
ふわりと離れドキリとしたら
🍀とおで
車道と反対へ
🌷私の右手
🍀あなたの左手
🌷
あなたの優しさに触れた私は
嬉しくて傘の影に隠れたのです
🍀
私たちを
知っているのは
こぼれそうな桜の花と
静かな春の雨だけでしょう
🌷
儚くても良いのです
手を取り桜を見上げたひとときは
夢ではなかったのだから
🍀
いつかあたたかな思い出が
色褪(あ)せた記憶になる日が来たとしても
きっと桜が知らせてくれるでしょう
🍀嬉しくて泣いた日も
🌷寂しくて泣いた日も
🌷好きだと気付いたあの時も
🍀
薄桃色の花びらが
ひらり ひらり
届けてくれるでしょう
🌷
ひらひらりと
歌いながら
〜マコのひとりごと〜
あの日見上げた桜の花は
遠く離れた私とあなたが
同じ日に見た桜とは別でしたが
幾日を越え
春の雨の日に
同じ桜の花を見上げられた奇跡に触れて
ありがとうと言わずには、いられなかったのです。