![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88099881/rectangle_large_type_2_c1669fc80ea7a54e39769b2a836d34c1.jpg?width=1200)
母へ
あなたは私を踏み躙りました。
二度と立ち上がれないほど徹底的に。
私はあなたを許しません。
でも、それがあなたの愛情だということもよくわかっています。
わかっているがゆえに、その愛情を素直に受け止れないことが苦しくて悲しいのです。
あなたが私に与えてくれた愛情は、私のほしい形ではなかった。
ただそれだけのことが、こんなにもあなたと私を引き裂いてしまうだなんて。
幼い私に、どうして想像できたでしょう。
あなたが私に惜しみない愛情を注いでくれたこと。
とても感謝しています。
それは私ひとりでは抱えきれないほどでした。
あなたの愛情を受け取れない私を
どうか、どうか、許してください。
わかっているから、だから、どうか。
受け取りを強要しないでください。
拒否されたからと悲しまないでください。
私は、そんなあなたの姿を見るのがとてもつらい。
あなたを傷つけているのは、ほかでもない、私なのです。
あなたが私に愛情を与えてくれる度に、私はそれを突きつけられる。
なんて、なんて、苦しいことでしょう。
私が私であることが、あなたを毎分毎秒傷つけているなんて。
それでも、私は私であることに決めました。
これからは、お互いに、それぞれの道を歩んでいきましょう。
溢れんばかりの愛情をもって
ここまで私を育ててくれてありがとう。
あなたの人生は
私のためにではなく
あなたのためにあるんだよ。
あなたが私から解放され
あなたの人生を歩むことを
心から祈っています。
もう、いいんだよ。
ありがとう。