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漫画を描く全人類に読んでほしい

漫画文法・技術大全『マンガの原理』


KADOKAWAの担当編集さんから、ご恵贈(献本)いただきました。

私の大好きな入江亜季先生と、森薫先生と、編集者の大場さんという方が作られた『マンガの原理』という、漫画を描くための技術本。

私、あんまりこの手の技術書などを全然読んでこなかったんですよね。というか、漫画に関しては勉強をほとんどしてこなかった。
なのでこの本のことを知ってから、めっちゃくちゃ読みたいと思っていました。

読んだ感想、結論、

も〜〜〜〜〜〜
とっても面白くてオススメです!!!ほんとに!!

めっちゃくちゃ勉強になりました!!この本すごい!!

私『コダマの谷』『群青学舎』から入江亜季先生の大ファンなので、「入江先生の考えてることがこれでわかる…?」と、この本が届くのを心待ちにしていたんですよね。

つい先日ポストに届いていたので、すぐに嬉々として読み始めました。

小さい頃からずっと漫画を描いてきて、最近はありがたくも賞を取ったり本を出したりさせていただいた私ですが、この本を読んだら、

いかに「自分が"漫画"を描いていなかったか」が分かりました…。

(※エッセイ漫画はちょっとまた別軸なので、ここでは創作漫画に関してのお話です)

漫画を描いていて、今現在「どうして自分の漫画はいまいちなんだろう」と悩んでいる人、すっごくオススメです。
というか、漫画を描く全人類、悩んでいなくてもこの本のどこかに絶対タメになること載ってると思う。

書籍の内容はもちろん書けませんが、以下私の感想を書き連ねておきます。

今の私の悩み

というか、ずっとある悩みなんですが。

自分の漫画が、いまいち面白くならない。

頭の中で構想を練ってる時は面白いんです。プロットの時も(自分としては)面白い。でも、ネームにした途端面白くなくなる。面白くないというか、自分だから・この先に展開があることを知ってるから読み進められるけど、これ普通だったら途中読み進めないよな…?となってしまう。

だから、大まかな話を考えるのだったり、ネタを考えるのはとっても好きでも、いざ漫画を描こうとすると辛くなる。
途中がダレてるのが自分でわかるんです。
内容は面白い(はずな)のに、読みたいと思えない。
でも、なんと、
その答えがこの本に………!!

しかも結構序盤に書いてありました。笑
大場さん(編集さん)の説明の仕方が本当に分かりやすすぎて、この方の分析力と説明力半端ない…!!と震えてました。

(ぜひ本を買って読んでください!!笑)


コマ割りって、こんなに考えてるんだ

コマ割りだけに限りませんが、この本全体を通して、「先生たちってこんなに考えて漫画を描いてるんだ」と衝撃を受けました。

この本には最初から最後まで、私が「天才」だと思っていた方々がこんなにも考えて考えて考え抜いて漫画を描いているんだという(目を逸らしたくなる)事実が、ずっと書いてあるんです。

こんなに面白い漫画を描く人たちは、きっと漫画を描き始めた最初っから面白い漫画をさらさらっと描いているんだろうなと思っていました。
特に入江亜季先生や森薫先生は絵が美麗すぎるのもあり、漫画の内容は天才的にささっと描いて、絵に特に力を入れて楽しく描いてるんだろう、などと心のどこかで思っていました。

…いや分かってます。
最近SNSが広がり、いろんな漫画家さんのつぶやきを見ることができるようになったこともあって、漫画を全く苦しまずに描いている人なんて居ないんだってこと、もう分かってます。
でも、自分が面白い漫画を描けないのは「才能が無いから」であって、「仕方のないこと」なんだと。
そう思いたかったんだと思います。

でも違いました。
ただ、逃げていただけでした。

その逃げが顕著に現れているのが、私の漫画の「コマ割り」です。
コマ割りが嫌いすぎて、私はインスタの正方形に飛びついたり、エッセイ漫画特有の8コマ割を使って「縦読みだから」という言い訳を盾に創作漫画を描いたりしてきました。

この本を読んで、「コマ割りが苦手」なんて言ってらんないな、と考えを改めました。
みんな、どんな漫画家さんも、考えて考えて、どうやったら読者に効果的に伝えられるか考えまくって、本当に懸命に描いてるんですよね。
天才的に面白い漫画を描く人たちがそうしてるんです。凡才の私が同じことをせずに面白い漫画を描けるはずないんです。
本当は、あの方々よりもっと考えないといけないわけです。でも、あの方々よりもむしろずっとずっと考えていなかった。

この事実は、私の心に重く重く、だけどしっかりと、響きました。


この本で私の多くの疑問が解けていった

それにしても、本当に、私は考えが足りなかったなぁと反省ばかり。
一度でも漫画を描く時にこんなに考えて描いたことがあっただろうか。

悩むは悩むんですよ。でもなんというか…見当違いな悩み方というか。
面白くするためにはどうすればいいのか、の答えが自分の中にないから、延々と変な方向に悩んでる。

その、「面白くするにはこうすればいいのか!」の答えがこの本には書いてありました。

勿論簡単に実践できることではないですし、知ったからと言って面白いものが描けるとは限りません。
でもきっと、今描いているものより少なくとも確実に面白いものが描けると思います。ちゃんとこれだけ、いやこれ以上に考えて描くことができれば。


ということで、私はこの本を読んで本当に勉強になりまくったのでした。
勿論2時間で読んだ分ではさらっと通っただけなので、その後再度メモを取りながら読み直しました。
多分これから、漫画を描いて悩んだら何度も読み直すと思います。

入江亜季先生、森薫先生は勿論素晴らしい先生だということは存じていましたが、大場さんの分析・解説の素晴らしさにも本当に感動しました。
間違いなく私のバイブルの一冊になると思います。

私は今まで、「自分が楽に楽しく漫画が描ければいい」と思ってました。でも、この1年で「自分の漫画を多くの人に届けたい」と思うようになり、このままではそれは無理だと感じて悩んでいました。

この本を読んで、本当に本気で漫画を描きたいと思わされました。
みなさん、これからの私の漫画を楽しみにしてください。考えに考えに考え抜いて、描いてみせます。
自分が「これは傑作だ!!」と思える作品を、描いてみせます。

………果たして、完成させることができるのか。笑

(私が有言不実行な人間なのは、多分数少ない私の作品のファンが1番よく知っていると思うので、不安にさせてしまうかも。いやでも今回は本気だから!!)

ちなみに、この本を読む前に私が描いた創作漫画は、現在以下で読めます。傑作を描く前のものとして、一回読んでもらえると嬉しいです(宣伝)。笑

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(セミフィクションコミックエッセイ)


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あ、でも読んでいてちょっと思ったのが、「紙媒体」を原則に考えていることと、アナログの技術もちょこちょこ載っていることは、今のWEB・デジタルとは合わないかな?と。
でもそんなことは気にならないくらいにタメになることいっぱいです(それに紙書籍になることは、やっぱりなんと言っても憧れがありますのでそれも考えておきたいですよね)。

漫画を描く人、ぜひこれを読んで一緒に頑張りましょー!!

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