頸椎の構造:環椎、軸椎、第3頸椎の特徴



頸椎は、頭部の支えや複雑な動きを可能にする重要な構造を持ち、特に上位3つの頸椎(環椎、軸椎、第3頸椎)は解剖学的に興味深い特徴があります。この記事では、それぞれの構造と特徴を紹介し、これらがどのように相互に連携しているかを解説します。

環椎(C1)


環椎は頭蓋骨を支える特殊な構造を持ち、他の頸椎とは異なるリング状の形をしています。これにより、頭部の動きが可能となっています。

• 環状構造: 横方向に長い楕円形の「側塊」が2つあり、リング状の構造を形成。
• 後頭骨との関節: 環椎上部にある「上関節面」が後頭骨と接触し、頭を前後や左右に動かすことを可能にします。
• 軸椎との関節: 環椎の下部には「下関節面」があり、軸椎と関節を形成しています。
• 歯突起との関節: 環椎前方には「前弓」があり、軸椎の歯突起と関節を形成することで、頭部の回旋を可能にします。
• 椎骨動脈の通過: 環椎の横突起には椎骨動脈が通過する孔があり、脳への血流供給に重要な役割を担っています。

軸椎(C2)


軸椎は環椎の下に位置し、独特の「歯突起」によって環椎と連結することで、頭部の左右回旋をサポートしています。

• 歯突起: 軸椎上面から上方に突き出ており、環椎の前弓と関節を形成することで、頭部の回旋運動を可能に。
• 環椎との関節: 歯突起根元の両側には「上関節面」があり、環椎としっかり連結しています。
• 椎骨動脈の通過: 軸椎の横突起には椎骨動脈が通る縦孔があり、脳への血流を確保。
• 二分棘突起: 軸椎の棘突起は2つの結節に分かれているのが特徴です。

第3頸椎(C3)


第3頸椎は軸椎の下に位置し、上位2つの頸椎とは異なり、典型的な頸椎の形状をしています。

• 椎体: 横方向に細長い形で、上面には釣状突起で縁取られた関節面があります。
• 軸椎との関節: 椎体上面前縁が軸椎と連結。
• 下位頸椎との関節: 椎体下面の鉤椎関節面が、下位頸椎と連結する役割を持っています。
• 関節突起: 上関節面は軸椎と、下関節面は第4頸椎と関節を形成。
• 二分棘突起: 棘突起は2つの結節に分かれ、他の典型的な頸椎と共通する構造です。

まとめ


上位3つの頸椎は、それぞれ異なる役割を持ちながら連携し、頭部の支えや動きを可能にする精巧な構造を形成しています。環椎、軸椎、第3頸椎の特徴を理解することで、頭頸部の可動性や安定性がどのように保たれているかが見えてきます。

この記事を書いたトレーナー
山岸慎(やまぎし まこと)
STUDIO KOMPAS渋谷店
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町13-11 南平台WEST 地下102

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?