【障害は個性】なんかじゃない
こんにちは!まこです。
いきなりですが、【障害は個性】という言葉、最近よく聞きますよね。
みなさんはどう思いますか?本当にそうだと思いますか?
あくまでも僕の一意見になりますが、僕は【障害は個性】という考え方、大嫌いです。
綺麗事を言うなよ、現実的に考えろよ、と思っちゃうんです。
もちろん色んな考え方があると思いますし、僕と考え方が異なる方にとっては「それは違うでしょ」と感じる部分も多々あるかと思います。
その点は、あらかじめご了承ください。
ではなぜ僕はこのような記事を書くのか。
それは単純に、みなさんに「障害は個性だ」などと安易に言ってほしくないからです。
この言葉に嫌気が差している障害のある方がおそらくたくさんいらっしゃるからです。
そして、こういった綺麗事がデカい顔をして蔓延する世の中になってほしくないからです。
今回から新シリーズ
「【障害は個性】は綺麗事」
と銘打って、前半と後半の2回に分けて僕がこう考える理由や詳細を述べていきたいと思います。
ちなみに後半はコチラ↓↓↓↓
1.「障害があって良かった」って本気ですか?
僕はこれまで、テレビや新聞、SNSなどで、障害のある方本人が
「障害があってよかった」
「生まれ変わってもまた自分に生まれたい」
などのお話しているのを見聞きしたことが度々あります。
そしてそのたびに僕は
「本気でそう思ってるの?」
「表向きだとしても何でそう言えるの?」
と感じてしまうんです(僕は、ですよ!)。
僕はなにも「障害」にまつわるすべてを否定するつもりはありません。
すべてを否定してしまうと自分自身すらも否定しかねないからです。
ですが、僕は
「障害なんてない方が良いに決まってる」
と考えています。
さらに、そもそも生まれ変わりたいとも思いませんが、万が一生まれ変わることがあるならば「普通の体が欲しい」と切に思っています。
2.「健常」への憧れ――「普通」が一番
大人になった今でもよく想像するんです。
みなさんが日常普通に、かつ何気なくできていることを、僕も何の苦労も工夫もなく、普通にしてみたいなぁって。
自分のことは全部自分でして、どこか行きたいと思えば一人でさっと着替えて家を出て、気の赴くままに歩いて、買い物したい時に買い物して、何か食べたくなったらお店に入って一人で食べて。
自分と同じ野球好きの人たちと集まって草野球をしたり、トイレのことや人混みのことなんて気にせずテーマパークや旅行に行ったり。
今の僕の身体では難しいこれらすべてを、ただの「一日常」として過ごすことができたなら、すごく幸せで楽しいんだろうなぁと、よく考えてしまうんです。
もちろん障害を持って生まれてきたからこその経験や出会いがあるなかで「僕」という存在が形成されている。
「僕」が「僕」だからこそ、これまでの、現在の、そしてこれからの僕特有の人生がある。
これは揺るぎない事実だと思います。
でも、もし障害がなければ、自分はどんな人間で、どんな人生を送っていたんだろう。
こう考えずにはいられない自分がいるのもまた事実です。
別にネガティブに考えているわけではないですよ!
おそらくみなさんも一度は考えたことがあるはずです。
「もし自分が○○だったら、、、」と。
それと同じ感覚で考えていることだと思います。
とにかく僕は「障害のない自分」に憧れるんです。
だって自分でできることが増えるし、外に出て嫌な目で見られることも減ると思うし、生きていく上で心身ともに重荷が減るだろうから。
どこまでいってもやっぱり「障害そのものはマイナスだ」という考えは拭いきれないんです。
3.生きている世界は絶対に違う
僕には両腕がありません。
さらに歩くことさえままなりません。
だからこそつらい思いや、壁にぶち当たった経験が何度もあります。
おそらく身体が普通であればしなかったであろう、特殊な経験を。
でも、この話をするとたまに
「いやそんなことはない!」
「それは君の考え方、捉え方の問題だよ!」
と真正面から否定されることがあります。
ですがそのたびに
「じゃああなたに障害はあるのですか?」
「あなたも両腕がないんですか?」
と聞きたくなる。
嫌な奴であることは痛いほどわかってますよ(笑)
でもね、言うまでもないことかもしれませんが、
「腕がない人の世界は腕がない人にしか見えない」
と思います。
今は僕の場合で書きましたが、例えば歩けない人も、目が見えない人も、耳が聞こえない人も・・・例を挙げるとキリがないですが、何かしらの障害を抱えて生きている人は、その人しか生きえない世界に生きています。
いや、こんなこと言うと万人に当てはまるんですけどね。
でもひとまず今は障害(=僕の場合)に絞って話を進めます。
当然ですが、腕って本来は「あるはず」のものです。
そしてこの世界自体が「腕はあるもの」という前提で成り立っています。
その世界で両腕のない僕が生きやすいわけがない。
別に悲観的に考えているとかではなく、これは絶対の事実のはずです。
でね、これまたたまにこんなこと言ってくる人がいるんですよ。
「腕がないことは悪いことじゃない!」
って。
いやそういうことちゃうねん。まじで。
(つい地元の大阪弁が出ました。すみません)
こうやって言ってくる人は、僕を慰めるつもりで言ってくれているんでしょうけど、僕の現実を直視しようとしない、ある意味で浅はかな考えの持ち主だなぁと感じてしまいます。
少なくとも僕は障害で苦しんでいる人を相手に
「障害があっても良いじゃないか(^^)/」
なんて適当なこと、口が裂けても言えません。
生きている世界が違えば、経験する出来事はもちろんのこと、世界の見え方や物事の感じ方だって当然違ってきます。
程度の違う人間が、何もわかっていないまま相手のことをとやかく述べるのはお門違いです。
「自分も同じ状態になって、同じ経験や苦しみを味わってから言えよ」
と思っちゃうんです。
別に「何も言ってくれるな」というわけではありません。
でも、雑な励ましにかえって心をえぐられてしまうことが多々あるんです。
「深く考えての発言か否か」
良かれ悪しかれ、わりとすぐに、かつ正確に見抜けてしまうものなんです。
4.障害への認識と理解
もちろん上の話は僕に限った話ではありません。
障害のない人が障害のある人に対して
「障害があってもいいじゃないか」
と言うのは何か違うと思います。
いや、何なら「障害のある人同士」であってもです。
すべてが同じ条件なはずがないし、障害と言っても千差万別です。
少なくとも、軽はずみな発言をする前によく考えてみてほしい。
確かに、発言する側が当事者(=障害のある人)であるのかそうでないのかによって、言われた側は納得できないことが多々あるかと思います。
でも、たとえ発言する側が当事者であっても、障害の種類や程度、その人の置かれている環境によっては
「そう言うあなたは自分と違って〇〇なんだけどな…」
と腑に落ちないことも往々にしてあります。
いずれにせよ「障害自体は悪」なんですよね、やっぱり。
僕の中では。
障害があるよりない方が良い。
生きにくいより生きやすい方が良い。
生きる上であまり苦労を感じたことのない人にはピンと来ないかもしれませんが…。
5.「障害は個性」だと思わない理由
最初にも言いましたが、現代の風潮で
「障害も個性の一つだ」
なんておっしゃる方がたくさんいますが、
「その考え方ってどうなの?」
と思うんです。
「個性のせいで人の何倍も苦労しなければならないのか?」
と。そして
「障害があくまで個性にとどまる次元のものであるなら、あなたは障害はあっても良い、強いて言えば障害者になることに抵抗はないのですか?」
と問いたい。
生きていく上で何かしら壁や障害があって、それを乗り越えるたびに人は成長する。
それは確かにその通りだと思います。
けれどもだからと言って「自分自身に障害があれば成長できる」とは必ずしも言い切れません。
その障害によって成長する機会さえ奪われている人がいるのもまた事実ですから。
「個性」=「他人とは違う自分だけのオリジナリティ」だと考えるならば、わざわざ他の一般の人よりも苦労しなければならない「障害」という「個性」なんてない方が良くないですか?
僕からすると、軽はずみに「障害はあなたの個性だ」なんて言われたくないんです。
「その個性のために、自分がどれほどの経験をしてきて、これからもどれだけの苦労と努力を積み重ねていかなければいけないんだ」
と考えてしまうんです。
6.まとめ
いかんいかん。
ヒートアップしてきてつい長くなってしまいました(笑)
なのでいったんまとめることにします。
ここまで、あくまでも僕の考えを述べてきたわけですが、それでもこれは僕に限った特別な話ではないと思っています。
それこそ僕と同じように考える障害をお持ちの方、あるいはそのご家族の方はたくさんいらっしゃると思います。
障害は個性だ――
心の中でどう思うかはもちろんみなさんの自由です。
でも、それを言葉に出す際は、相手に配慮したうえで話してほしいなと思います。
少なくとも僕は、障害を個性という一言でまとめてしまうのはいささか危険な考え方だと思いますから。
何でもかんでもポジティブに、良いように受け入れることが正義だとは限りません。
特に「障害」というテーマにおいては、障害自体の意味や特性、当事者が置かれている立場などをきちんと把握し、現実にきちんと向き合うことが大切だと思います。
さて、「障害は個性じゃない」というテーマで長々と書いてきましたが、まだもう少し書きたい・・・笑
ということで、いずれ続編を書きたいと思います。
ひとまず今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました(`・ω・´)!
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