旅に出る:韓国の場合⑧
ヘルプミーが轟いているとはつゆしらず、
私は何故かとても冷静で、
多分日本語通じないよね
そしたら英語だから私が話さないと。。
ぼったくりって英語でなんて言うんやろ。。
とブツブツ言いながら、一番後方からついて行っていた。
ふと前を見ると、すでに中に入っていてもおかしくない3人が、半泣きでこちらを見ている
「日本語通じないんてー・・(アニメ声)」
「あーそうだろうね、大丈夫よー」と言いながら颯爽と中に入っていった私
多分その瞬間、私今日1輝いてたと思う。
深夜、というかもう早朝に差しかかる時間帯の急な襲来に、夜間勤務のポリスさんはもちろん、明らかにお前寝てたやろという寝癖爆発のポリスさんも集まってきてた。
ヘルプミーのせいだろう。
私は説明した。
「私たちは日本の観光客です。今西大門のホテルに泊まっています。今日東大門で夜中まで買い物して、ホテルに戻るためタクシーを拾いました」
カッコつけて話出したけど、まぁ完全に中学英語ですよね。
「タクシーに乗ったら運転手が私たちに『40000ウォン払え』と言い出し・・」と説明した瞬間、
「あー・・・そりゃぼったくりだわー」と全てを理解していただけたようで、
話を聞いてくれていたポリスさん明らかに『かわいそうに』という表情に。
と、同時にそこまで興味津々で聞いていた寝癖爆発のポリスは奥に引っ込んで行った。
ヘルプミーがお騒がせしてすまない。。
殴られそうになったとか
蛇行運転で脅されたとかは
語彙力の都合で大幅カットされたけど、
とりあえず最後にお願いしたことは今でもよく覚えている。
「すみません、私たちにセーフティタクシー呼んでください」
これ言ってる段階で、初めて涙が出てきた。
安心したのだろう。
というのも、韓国ポリスがたいそう優しかったから安心したというのが大きい。
明らかにつたない英語力に、合わせてめっちゃスローに英語で受け答えしてくれたし、
疲労困憊の私たちに温かい場所からに座るよう勧めてくれたり、
到着したらタクシーに、ホテルの住所を伝え大体いくらになるそうだけど大丈夫か?と聞いてくれたり、
(あと皆そろってイケメンだったり)
とってもとっても優しかった。
あの人たちのおかげで、韓国を嫌いにならずにすんだと思っている。
何度も何度もお礼を伝えてタクシーに乗り、
やっとホテルに辿り着いた時にはもう5時は回っていた。
7時から河原を散歩して、朝粥食べに行くという浮かれたスケジュールはもちろんなしになった。
しかし10時からの免税店でお買い物は外す気はないらしい(シビアさん)
とりあえず寝よう、寝て考えようという話になり、
それぞれの部屋に戻った。
完全に夏の朝の日差しがさんさんと窓から入ってくる中、
わたしはかろうじてか細く繋がっているWiFi使って、日本で待つツレに電話した。
わたし「もしもし」
ツレ「お、楽しんでる?もう起きたの?早いねー」
わたし「いや、今から寝る」
ツレ「え?寝られなかったん?」
わたし「いや、ちょっと警察沙汰があってさ」
ツレ「はぁ!?け、警察?だ、大丈夫なん?何があったん??」
わたし「あー大丈夫大丈夫。何とかなったんよ。。」
ツレ「いや、何があったんよ!事故?」
わたし「いやー話すと長くなるというか、、あれ?もしもし?もしもーーーーし!」
ツーツーツーツー
そこからは何回かかけてもか細いwifiでは届かず。。
仕方なく、「大丈夫、無事だから、また連絡する」とメッセージして、泥のように眠った。
後で聞いた話だが、
ツレは早朝に着信で起こされた挙句、警察沙汰というフレーズで眠気がぶっ飛び、急に繋がらなくなったことにも心配で心配で、連絡を待ち続けていたらしい。
メッセージも何故か届かなかったそうだ。
このことは、日本に帰ってからも、なんなら9年経った今でも、あの時は心配したーーーと恨み節を言われる原因になっている。
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