浄化槽点検を怠った結果、とんでもない事になった話
不動産投資をしていると、特に地方においてやけに高利回りな物件に出くわすことがある。
このような物件は全空だったり何らかの特別な事情があるケースが多いが、僕は不動産投資を初めたばかりの頃にそのような物件を購入したことがある。
その物件は浄化槽付きのアパートだったが、浄化槽は年1回の点検が義務付けられていることを当時の僕は知らず、放置してしまっていた。
浄化槽の清掃を怠るとどうなるか・・・という話は珍しいと思うので、不動産投資初心者だけでなく経験者の方もぜひ最後まで読んでもらえるとありがたい。
事の発端は、あるとき管理会社と話していると、ふいにこのような話題になった。
「そういえばマコトさんの所有物件って、浄化槽の点検ってされてます?」
「あ、そういえばしてないです!」
では一刻も早く点検しましょう、となったのだが、管理会社と付き合いのある業者さんに見てもらったところ、なんと浄化槽のフタが開かないとのこと。
これは非常にまずい・・!
管理会社の方いわく、フタが開かないということは前所有者も浄化槽の定期点検をしていなかった可能性が高く、内部については正に「フタを開けてみないとどうなっているかわからない」状態とのこと。
とりあえずフタを交換する工事をしましょう、という事で見積もりを取ってもらうと、金額はなんと50万円オーバー。。
フタだけでこの金額、、もしも浄化槽内部に不具合が多発していたら?
それならいっそのこと、本体丸ごと交換できないか?と思い調べてみると、アパート用の大型浄化槽の交換費用って何百万もするではないか。
浄化槽の交換工事には自治体から補助金が出るみたいなので、調べてもらうと家庭用の浄化槽にしか適用できないらしい。
おまけに、見積もりを出してくれる業者さんの対応が遅いのもあって、結局何もできないまま月日だけが過ぎていく。
早くなんとかしないとと思いつつ、日々の忙しさで片隅に追いやられていた折に管理会社から連絡が。
「○○アパートですが、入居者さんからトイレの水が流れにくいと連絡がありました。これは早急な対応が必要かと思います」
えええ・・・!!恐れていた最悪の事態だ。
現地に行ってみてもらったところ、雨が降って浄化槽内部の水位が上がると、建物の排水がしにくい状態になるようだ。
どうやら浄化槽のフタ部分の高さが周囲より低くなっているため、雨水が侵入しやすくなっている状態らしい。
さらに調査してもらうと、浄化槽内の水を排水する放流ポンプと、ブロワーが経年劣化で交換が必要とのことだった。
また、開かなくなっていたマンホールのフタについては交換必要だが、それ以外のフタは開くらしくそこから内部状態は確認可能とのこと。
内部状況については、一番まずいのは何十年も清掃せず放置していたパターンで、その場合は産廃処理が必要で金額が大きくなる。
幸いなことに、内部清掃は10年ほど前に実施していたようで、そこまでの金額にはならなかった。
ここまでの工事費用としては、①マンホールのフタ・高さ調整のコンクリート打設で約30万円、②放流ポンプ交換で約10万円、③ブロワー交換で約20万円、④浄化槽内部清掃70万円の計約130万円となった。
資金については銀行から融資を受けることにした。
大体の金額がわかったところで、ようやく工事に取り掛かれる。。
ここまで来て少し安堵したが、甘かった。
初めに、浄化槽内部の清掃準備のために放流ポンプを交換したところ、交換自体はスムーズにいったがなんと放流先の配管に穴あきがあり、水漏れが発生。
その配管は、そのアパートの隣家の排水先に合流していたのだが、その家の家主が怒っていて作業員に文句を言ってきたらしい。
どうやら、その浄化槽付きのアパートは隣家の家主が元々の持ち主で、その後そのアパートは色々な人に渡ったが浄化槽の管理をきちんとする人がおらず、そのことに長年腹を立てていたとのこと。
しかし、その放流先が使えないと新たな放流先を確保しなければならず、追加で費用が発生する可能性がある。
ここで管理会社の人から提案があり、一緒に現地にきて頭を下げてもらえませんか?と。
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