新築vs中古
アメリカ大統領選挙が終わりました。トランプ元大統領が勝利しましたので、彼が話していた『Make America Affordable Again』
不動産業界にも新たな兆しが見えれくる事を願っています。
アメリカの不動産市場も物価のインフレと共に、価格が上昇し、資産もまだ少ないファーストバイヤーがなかなか家の購入に手を出せずにいます。既に不動産を所有している方々も、理由がない限り売ったところで、金利は高いし買う家も高い。。。そのため市場に出てくる中古物件数は少なく、まだまだ売り手市場が続いています。
ですが、金利も少しづつ下降傾向にあります。一時期、住宅ローン金利7%超え(コロンバス周辺)もありましたが6%台に下がり、新築専門Builderも時に自社関連ローンで金利を5%台に下げているところもありますが、こちらの割引は既に建てられている新築の建売(スペックホーム)、この期間までに購入すれば、、などと色々規制があり特典利用できるところが多いです。
日本では念願のマイホーム!のイメージは新築がほとんどかと思います。アメリカはそうとは言い切れません。むしろまずは中古物件で自分が好む家を探す傾向が多いと思います。中古物件は、新築物件では基本料金とは別枠で追加料金となるデッキ、地下室のリフォーム、家の周りのフェンスなどが付いている物件が多いのも一つの利点です。
そして中古物件の強味は何を言っても立地条件です。新築一軒家は郊外になる事が多く、少し街の中心地から離れます(稀に空き地に建設できる場合もあります)。実に現在の新築物件はダブリン方面だと西と北西に伸び、パウエルは北と北東(23号線まで)になります。ダブリンとパウエルは、新しい学校も設立され学校に関しては心配はないかと思いますが、それでも生徒数の増加でまた近い将来新たな学校建設もしなくてはなりません。。。
そして固定資産税です。私が見る限り、ダブリンとパウエルの新築物件の固定資産税は少し高い傾向があります。学校新設などで全体的に固定資産税が上がってきていますが、それでも新築は中古物件よりも高い固定資産税の住宅街が多いと感じます。同じぐらいの大きさの家で、築およそ10年〜の住宅地は$10kの固定資産税、隣接している新興住宅地は$13k〜をよく見かけます(k=1000)。
そしてダブリンの新興住宅地ジェロームビレッジは固定資産税と一緒にCDC(Community Development Charges)が必要となる事を忘れてはいけません。
アメリカの月々の住宅ローン返済は、
固定資産税
保険
エスクローアカウントを作成し、基本こちらの2点が毎月のローン支払いに加算されます。固定資産税を12で割り、月々のローン返済額と一緒にこれらの費用も支払える能力があるのか。購入者自身が銀行の事前審査を行う前に考慮するかと良いと思います。
そしてもう一つの中古物件の利点は、売主買主両者共で、価格を交渉できると言う点です。
現在は売り手市場、人気があるエリアで状態が良い家には複数の買主がオファーをかけることも珍しくなく、買い手に不利な場合もありますが、契約後のインスペクションなどで、何か不具合が見つかった場合は
決済前に修理してもらう
不動産購入価格を値引きしてもらう
売主がこれらを拒否した場合は契約をお互いの同意で解除
何も売り手に催促しない
など買い手には色々な選択肢があります。
新築物件ですと住宅販売会社との価格交渉はできませんが、その代わりに自分たちで内装や外装のオプションを予算で決めていきます。ただし、予算を考えると全てをアップグレードできるわけではありません。自分たちのテイストに、、と考えるばかりだと最後には驚く金額になっている場合があります(契約前に見積もりをしてもらうので、ご自分の予算と相談して何が必要かそうでないかを予算内で決める事ができます)。自分たちの予算内で思ったように家が建てられない場合は、中古物件で色々と揃っているものが良いかと思います。全てが希望に沿わない場合は、金銭的に余裕ができた頃、自分たちでリフォームすれば良いのです。
*ちなみに特別なシーズンイベント、感謝祭、クリスマス、年末などは住宅販売会社独自のスペシャル特典などありますので、新築を考えている場合もご遠慮なくご相談ください。
新築物件は真新しく、自分たちで部屋の内装や備品、照明やデザインなど色々と選ぶ楽しみもあり、今までに誰も住んだ事もなく新鮮さがある。新築なので、家の不具合があっても、建築会社が○年間保証などつけてくれたりします。ちなみに中古の場合でもホームオーナーズ保険というのがあり、売主又は買主が購入する事ができ、家の中の備品などを補償してくれます。
その他の新築利点は、Title(家や土地のの所有権の登記)日本で言う不動産登記上の問題を心配する必要はほとんどありません(土地を個人から購入した場合は別)。
住宅を購入する場合、Title会社がTitle Searchをかけます。このSearchで登記上に問題がないのかを一旦調べるのですが、万が一のTitle保証として(Title上の記入漏れ、昔の土地使用権などが土地の一部に実はあったりした時などの保証)として、住宅ローン会社は借主に融資をするにあたってTitle Insuranceをかけることを必要条件とします。ちなみにTitle Companyは日本では、不動産登記を行う司法書士のような役割をします。
私の所属するColdwell Banker RealtyにはインハウスのTitle Companyがありますが、その他にも多くのTitle会社がコロンバスにもあります。
アメリカの新築(土地付の家)は土地にはプレミアムが付いている場所もあり、そちらは上乗せ金額となります。。最近流行りのパティオホーム(庭が小さく小ぶりな家で、住人のメインテナンス負担が少なく済む家)は『地下スペース工事は追加料金です』と言うところが多かったり、または地下室はない(Slab)パティオホームが多数あります。一般的なSingle-Family Homeはコロンバス周辺は地下スペース工事費込み料金ですが内装は別。土地の場所や形状により、地下室工事込みの住宅建設会社であっても、大きめの窓必須やWalk-Out にしなければならない場合は多めの追加料金がかかります。
急ぎで住宅購入して入居したい人にとっては、中古物件か新築のスペックホームになります。新築を普通に建てる場合は、約半年はかかりますので。
そしてこちらは私が最近目にしている新築物件からの個人的な見解ですが、中古物件では多くの家の水道管は銅管を使用していますが、最近は代用としてPexパイプ(樹脂製)を使用している建築会社がほとんどです。中には、PVCパイプを水道管にも使用している建築会社もあります。家の土台のBeam(梁)も鉄製か木製、建築会社により異なります。(ひと昔の家はほとんどが鉄製)木製が悪いと言うわけではありませんが、地下室のあるFoot Print(平面積)が大きい家は、耐久性を考慮し鉄製よりも木製のBeamは柱が多くなりますので、地下室に柱が多く入ります。
こちらは個人的に各個人でご考慮いただけたらと思います。
新築と中古物件、それぞれ違いますので
お客様自身のテイストと、利便性、重要性、目的、予算それそれを考慮してみてください。人生での大きな買い物となりますので、後悔がないようにじっくり時間をかけて決断される事をお薦めします。