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“特別”であると、信じていたかった。

すこし、昔話をさせてください。

高校2年生の終わりに、私は高校を中途退学しました。当時、なぜそうしたのかと問われても、明確に答えることはできなかったと記憶しています。

今になって振り返ってみると、私が高校を辞めた理由は「“普通”になるのが怖かったから」なのだろうなという気がしています。

中学校まで、それなりに成績の良かった私は、県内でもそれなりに知られている進学校に入学しました。中学校の同級生や両親、塾の講師などからは「あいつは優秀」という評価を受けていましたし、自分でも「私は“特別”なんだ」と思っていました。

しかし、高校に入学してまもなく、私は“特別”ではなくなりました。

高校には、同じくらいの学力を有した学生が集まります。それまで「頭のいいやつ」「すごいやつ」だと言われてきた私は、平凡なその他大勢の1人になったのでした。そして、そのことが私を焦らせました。

私は、信じていたのです。自分には何かしらの才能があって、人とは違う、物凄いことを成し遂げることができるのではないかと。

しかし、現実はそうではありませんでした。ずば抜けて成績が良いわけでもなく、何か目立つ特技を持ち合わせてもいなかった。そこで私は、安直な方法を取りました。それが「高校を中途退学する」という方法です。

調べたわけではないので、はたして実際はどうなのか分かりませんが、おそらく高校を卒業した人間と比べると、高校を中退した人間の方が少ないのではないでしょうか? つまり、高校中退という経験はレアなのでは?

とんでもなく浅はかな人間だなぁと、書いていて改めて恥ずかしくなりますが、とにかく当時の私は、そのような方法をもってして“特別”であることを守ろうとしたのです。

その後、色々と経験した私はいま、「“普通”とか“特別”とかって、そもそもなんですかね?」っていう感じで落ちついています。

高校を辞めてからのことは、また、気が向いたら書いていこうかなと思っているので、今回はこの辺で終わりますね!

おやすみなさい。

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