書けない僕と自意識
2W1Hを意識、PREP、SDS、パラグラフ・ライティング、一文一義、3行程度で改行、語尾が重要、省ける順接の接続詞は省略……。
WEB上で文章を書く際、読者に負担をかけないことが重要になる。そのため、世の中には様々な「伝わる文章」「分かりやすい文章」を書くためのルールやノウハウがある。離脱のリスクを考慮する必要があるWEB上で文章を書く際、これらは無視できない。
しかし、僕はいま、それらを意識しすぎて文章を書きあぐねてしまうことが多くなっている。
昔から小説や詩、エッセイを読むのが好きだった。それらに触れながら「世界って何だろう」とか「愛とは?」とか、「人間とは?存在とは?」といった途方もないことを考えるのが大好きだった。それは今も変わらない。
しかし、それを論理的に言語化する方法を知らなかったため、僕は黙ることを選んだ。その結果、周囲から見た僕の印象は「無口な奴」、たまに口を開いても抽象的なことばかり話す「何が言いたいのかわからない奴」となった。
ライター業を始めて8ヶ月目、まだまだ新米ライターの僕。昨年の10月に、未経験からクラウドソーシングで仕事を始めたのち、先のことを考えて企業に属することを選んだ。今はエンタメ系メディアで、主に映画関連の記事を執筆している。
ライターの仕事をしていくなかで、「伝わる文章」を書くための様々な技術を身に付けていっていると実感している。少しずつではあるが、確実に成長しているのだと思う。
もともと言語化が苦手な僕が、それなりに“形の整った”文章を書くことができるようになったのは、ルールやノウハウを知ったからだ。
しかし、最近の僕はこのルールやノウハウを意識しすぎて、逆に文章を書くのが怖くなっている。
「分かりづらい文章だなぁ」「下手だなこいつ」
そんなふうに思われやしないかと、不安でたまらなくなる。ちゃんと論理的な文章が書けているだろうか、冗長な表現をしてしまっていないだろうか、そんなことばかり気になってしまう。
仕事で書く際はまだいい。締め切りがあるので、不安だろうがなんだろうが書くしかないのだ。
問題はnoteやTwitter。こんなことを書いてつまらない奴だと思われないか、下手な文章だと思われないか、とにかく気になってしまって結局書くことをやめてしまう。書いたとしても投稿する前に削除してしまうこともあった。
自信がない。自意識過剰。ひとことで言えばそういうことなんだと思う。
「誰もあなたの文章に興味はない。だから臆せず書こう!」と言ったアドバイスが正しいことは分かっているのだが、それでも怖いものは怖い。
書けるようになるには、どうしたらいいのだろう。実は、答えは分かっている。不安になんてならないくらい、努力すればいいのだ。
そもそも文章に“正解”はないのかもしれないが、ルールやノウハウを一通り学び、それらを自在に扱えるようになるくらいは、ライターとして当然のことなのだと思う。
だから僕は、もっと頑張らないといけない。“見えない読者”の声が気にならなくなるくらいに、自信を持って文章を書けるようになるために。
書けなくても書く。書くことの壁は、書くことでしか乗り越えられないのだ。
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