デザイナーのキャリアについて
私は未経験からデザイナーになりました。
学生時代は油絵を描いていたので近い領域に感じられる方もいるかと思いますが、デザインに活かせる勉強や実践はゼロでした。
また、「デザイナーなること」が目的ではなかったので、あくまで手段として、将来の仕事や活動を支えてくれるスキルになることを目指して積み上げてきました。
その過程をちょっと少しまとめてみました。
キャリアパスについて
①WEBサイト運用からWEBデザイナーへ
ファーストキャリアは、スポーツ系のポータルサイトで、掲載記事のリライトや画像処理、提携先へのニュース配信業務などを担当していました。
部署内でWEBサイトのデザイン&運用していたので、先輩に頼んで1ページ作らせてもらうところから少しづつWEBデザイン(htmlやcssを書く、記事のキービジュアルをデザインする等)に携わらせてもらったことがデザイナーへの入り口です。
②WEBデザイナー+グラフィックデザイナーへ
しばらくWEBデザイナーとして働いていましたが、チラシやパンフレットなど、紙媒体のデザインをやりたいと思うようになりました。
紙のお仕事としての実績はほぼなかったので、NPOのプロボノなどで実績作りをしつつ、WEBと紙の両方のスキルを必要としている会社を探し、通信会社のインハウスデザイナーとして初めてチラシの制作をさせてもらったのが紙媒体デビューです。
③デザイナー(デザイン+ディレクション)へ
通信会社当時、社内には別途デザインの部署がありましたが、私は新規事業部専属のデザイナーとして所属していました。LPの改善やマーケティング周りのデザインを担当していました。
ある大きめのプロジェクトが決まった時、私はデザイン部に依頼する立場の部署にいたため、企画内容の提案を積極的に行い、ディレクション側でPMの補佐としてプロジェクトチームに入れてもらうことになりました。
④会社員+個人事業へ
個人のデザイナーとしての活動は、ポートフォリオのプラットフォーム(今はそのサービスは終了してしまいました)で定期的にコンペが行われていたので、それに応募していました。
クリスマスカードや年賀状のコンペに出した際、コンペでは採用されなかったものの、年賀状のデザインの依頼が来ました。それが個人で受けた初めてのお仕事でした。
⑤デザイナーからNPO広報(採用&資金調達)へ
すべてのキャリアを捨ててもいいくらいの思いで転職。
実際は、広報の制作物を自分で作っていたので、これまでのインハウスデザイナーと同じような仕事も多かったです。ただ、ここでブランディングを学びました。(誰かが教えてくれたわけではないですが)
海外で有名なNPOだったので、「日本にもあったんですね」と名前を言えば多くを語らずとも理解や共感をしてもらえることなど、「ブランド力」というものを実感しました。このあたりからデザインも"ブランディング"を意識するようになりました。
具体的な実績作りについて
友人の依頼
無料や安価で請け負い、ポートフォリオを充実させる。
今後の関係性のために、自分のできることできないこと、どこまでなら要望に応えられるかなど初めに伝えておくとトラブルを回避できます。
プロボノ
プロボノとは、職業上の専門性を生かして社会貢献をするボランティア活動のこと。方法は大きく2つ。
①NPO等で直接活動をする
NPOが応募している場合もあれば、していないけど必要としている場合もあります。
私の場合は、ボランティア活動しているNPOへ話を持ちかけたり、関心のあるNPOの活動説明会に参加して直接職員さんにアプローチしたりしました。
②団体を介してプロジェクト型のプロボノに参加する
私は活用しませんでしたが、サービスグラントが有名です。
マネジメントしてくれる中で行う活動なので、無理なく活動できそうなイメージです。
プロボノは個人的にとてもおすすめです。
応援しているNPOのチラシ、年次報告書、WEBコンテンツ等をデザインさせてもらいましたが、活動をより深く知ることができますし、無償だとしても法人から請負った実績ができ、次に繋がります。
クラウドソーシング
私が利用したのはココナラ、クラウドワークスとランサーズ。
クラウドワークス、ランサーズは、(私にとって)コスパが悪く、すぐに見切りをつけてしまいました。
ココナラはデザインの練習用に安い金額設定でバナー作成をしていたためか、ちょうど良いボリュームで依頼が来ていました。
初めてやりとりする方と、納品までにどのようなコミュニケーションを取る必要があるのかも含め、とても勉強になりました。
ブランディングのすすめ
特定の強い分野を作る(狭く深く)。何に貢献したいか等、目的を持つ。
仕事をする上で実は一番重要な要素だと思っています。
「●●といえばここ」という印象が付くことで、自分の市場を作ることができます。
自分にはどんな強みがあるのか、どんな分野でお仕事したいのかなど分析して、その印象をつけていくことはおすすめです。
ニッチだと市場は狭いですが、競合も少ないので、お客様と長く付き合える可能性が高くなります。特定の領域に強みがあると、お客様にとっても「どこに頼んだらいいかわからない」という課題が解決されます。
発信について
実績ができたら相性の良い媒体で、作品を発信します。
①ポートフォリオ
ポートフォリオは様々なサービスがあるので、自分にあっているものを探して登録する方法か、自作するか。
・自作
・フォリオ
②SNS
・Twitter
・Instagram
・Pinterest ※厳密に言うとSNSではないらしいです
④フリー素材サイトへ出品
私はまだできていませんが、イラストACなどに登録するのもおすすめ。
1ダウンロードあたりの報酬は少ないですが、実績が積み上がれば、収入を得る手段として機能しますし、自動的にポートフォリオにもなります。
今できることをする
仕事以外で時間が取れない場合は、その環境でできることを精一杯やります。
たとえば、今している仕事の分野で貢献できることを率先してやってみる。
私の場合は、教育イベントに登壇する方のスライド資料の作成、オリジナルデザインの名刺を提案する等、デザインでお手伝いできそうなことがあれば、率先して提案したり、依頼があればすべて引き受けました。
一見、そこでしか活かせないような作業が、辞めた後に業務委託としてお仕事になったり、新たなサービスを作るきっかけになったりします。
精神的に辛いことはやらない
実績作りのために仕事を選んでいる場合ではない一方、精神的に辛い案件を継続すると、好きだったことが嫌いになってしまうこともあります。そんな悲しいことはないので、精神的に無理のない範囲を認識し、それを越えないようセルフマネジメントは必要だと思います。
2022年現在のお仕事
①旅行代理店でインハウスデザイナー
旅行代理店のインハウスデザイナーとして、マーケティングチームに所属し、主にキャンペーン毎のランディングページ周りのデザインを担当しています。
具体的には
・ランディングページデザイン
・バナーデザイン(社内、アフィリエイト、SNS等)
・サイネージ広告デザイン
・動画広告デザイン
がメインです。
たまにキャンペーンに付随した紙媒体のデザイン(チラシやポスターの制作)も行っています。
イレギュラーで会社から販売するクレジットカードのデザインも担当しました。
②フリーで教育関連のデザイナー
教育関係の方から、個別にご相談いただきデザインの依頼を受けています。
・インフォグラフィックデザイン
・プロポーザルの際のポンチ絵
・チラシデザイン
・報告書デザイン
・イベントバナーデザイン
・名刺デザイン
など、お手伝いさせていただきました。
NPOの報告書デザイン
https://www.enc-ok.jp/pdf/shien210515.pdf
今後について
自分自身でデザインするのも楽しいですが、他のデザイナーさんたちと横のつながりを作って、デザインの価値をアップデートしていくような活動をしていきたいなとボヤッと考えています。
・NPOや教育業界に精通したデザイナーさんとブランディングについて深めていきたい
・自分が行っている活動で、自分のデザイン以外にも触れてもらう機会を増やしたい
少しづつ行っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
お仕事の依頼、ご相談窓口
TwitterのDMでいただくことが多く、メールではなくそちらでお願いしています。Twitter:https://twitter.com/mako_pr
知り合いの方はfacebookのメッセンジャーへ。