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ゆっくり歩く、優しい時間

あの頃、毎日心配ばかりだった

おむつがなかなか取れないと焦り
歩くのもみんなより少し遅くて

言葉もまだ、ぽつりぽつりとしか出なくて
「大丈夫かな」とつぶやく日々

他の子たちはどんどん先へ進む
いつの間にか、おむつも外れ
足取りもしっかりとして
おしゃべりも楽しそうに

「うちの子はまだ」と心が重くなる

でもね、気づいたの
ゆっくりでも、少しずつ
あなたはちゃんと前に進んでいたこと

焦らずに、ゆっくりと、あなたのペースで

今では、すっかり優しいお兄ちゃん
小さな手が大きくなって
歩幅も大きくなって
早足で歩くあなたは、
時々振り返って、待っててくれる

かける言葉は今も優しくて、あたたかい

あの時の心配なんて、遠い遠い思い出
まったく、ひとりで大きくなったような顔して
大飯ぐらいで安心させる

なんのことはない
焦らず、見守ることが一番だったんだ

あなたは、あなたの好きな道を歩いて
フツーの、でも特別な、
優しいお兄ちゃんになった

ゆっくりでいい、それが一番だったって
今、やっとわかるよ

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