世界が終わればいいと思っていた
この世界って生き辛いなと感じる時。
ヒソヒソと悪口を言われているのが分かる時。声の大きなワガママな人の意見だけが通る時。レジのアルバイトで「早くしてくれない?」と理不尽に罵られた時。家庭内暴力が絶えず家に居場所がなかった時。非常識のレッテルをはられた時。同僚に裏切られ社内で誰も信じられなくなった時。死にたくてたまらないのに死ねない時。
学生の頃から人一倍希死念慮が強かった。父は典型的な亭主関白で毎晩大声で怒鳴り、母に暴力を振るう。私は父が家にいる間ずっと部屋にこもり、声に出して言えない感情を書き連ねていた。気付かれたくない、でも気付いて欲しい。自殺マニュアルを読み、死ぬ勇気のない自分を恨んだ。いつもいつも他人を、そして自分を責めた。
頑張って受験した大学も半年で辞めた。唯一の取り柄だった勉学からも逃げた。社会から見捨てられたと感じますます殻に閉じこもるようになる。感情の起伏が激しくなり、この辛さを分かって欲しいと願うほど人は遠ざかっていく。
2015年、双極性障害だと診断された。
今度は、私は病気だから普通のことが出来ないんだと泣く毎日。強い薬の副作用で頭も回らず朝も夜も分からない。薬を多量に飲み自殺未遂もした。フラフラと意識が飛ぶ感覚が好きだった。薬物に手を出す人の気持ちがわかる。売春でもしてこのままドン底まで落ちるんだと思っていた。
生きるのは辛い。繊細な人ほど狂おしい。自分の意見だけを通す人が嫌い。不快感を態度で示す人が嫌い。反論する余地を与えない人が嫌い。わかる〜なんて上辺だけの慰めが嫌い。明日はきっとよくなる☆感謝☆みたいなハッピーな人が嫌い。生死を本気で考えた事がないような自己啓発本が嫌い。SNSの病み垢が嫌い。自己肯定感の高い人の精神論が嫌い。甘えを許さない体育会系が嫌い。みんな嫌いだ。そして自分のことははもっともっと嫌いだった。
世界が終わればいいと思っていた。
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