キューバと日本、「まなざし」の意味はどう違う?
人をじろじろと見るのは失礼。そう思っていた日本人男性が、
「どうしてあなたはちゃんと私のことを見ないの」
と、取引先のキューバ人女性に怒られてしまったそうです。
たしかにキューバに行くと、お互いがお互いをよく見ている!
あるときハバナを歩いていたら、私と一緒にいた友人(日本人女性)を、キューバの男性が目で追っていました。地面を指さして、何かを必死に伝えようとしています。
「ビーチサンダルが左右逆だよ」
彼女は「あっ」とあわてて右と左を履き替えていました。
視線とともに、”Hola, Linda!” (やあ、きれいだね)とほめ言葉を投げてくる男性もいます。
これは街角で、男性が女性をほめて気を引く、「ピロポ」というスペイン語圏の文化なのだそう。
キューバの友人に聞くと、デートのときは、男性は女性をできるだけ見つめ、ファッションでもネイルでも、気が付いたことをほめる、のが流儀だとか。
よそ見してほかの女性を目で追うなんていうのは、「ビッグトラブルのもと」とのこと。
ブラジルの男性も「恋は街なかで、"まなざし"が交わるところから始まる」と話していて、「そんなに簡単に!?」と、驚いたことがあります。
電車で、カフェで、気になる女性を見つめる。相手が目をそらしたら脈なし。相手が見つめ返したら、近くにいって会話を始めるのだそうです。
私も、日本の電車で「目が合った人にほほえんでみよう」と実験してみたことがありますが、そもそも誰とも目が合いませんでした。
まなざしにも、奥ゆかしさを求められる日本だけど、冒頭のキューバ人女性のように「(こんなに素敵な)私をしっかり見て」と、気の置けない人に言ってみるのはアリかもしれない!と思ってしまいました。