キューバの友人が日本で釘付けになった、店員さんのスマイル
当たり前になりすぎたのか、私も気が付いていませんでした。
「コンビニの店員さんが、ずっと笑顔でびっくり。頬の筋肉は痛くならないのか。私にはできないな」
2年前、日本を訪れた、キューバの友人たちが、こう話していて驚きました。
アニメを通じ、日本文化が大好き。食べ物も口に合う。「ここに住んでみたい」というほど絶賛しているのに、絶え間ない「スマイル対応」は、うれしいより、いたたまれないとのこと。
この反応は、意外でした。
そういえば、私も学生時代、バイトで笑顔を絶やさず応対していたら、顔が硬直して、笑ったまま戻らなくなったことがあったっけ。
キューバに旅行したときを思い出すと、接客はそっけなかったり、とびきりの笑顔だったり、さまざまだった記憶があります。
しかし、日本のコンビニのように、絶え間なく客が来て、店員さんがほほえんだまま対応する、という場面は珍しいかと思います。
サービスがきめ細やかな日本で、心地よさを追求するためのふるまいが、受け取る人によっては、むしろ「きまりの悪さ」をおぼえる。
そうした状況は、思いもよらず、あるのかもしれません。
私がよく行くカフェでは、ウェイトレスさんが片膝を立てて、注文を取ってくれます。座っている私に、わざわざ、目の高さを合わせて。
丁寧であたたかいと感激しつつ、「ウェイトレスさんの腰は、足は大丈夫か、立ちくらみはしないのか」というふうに、つい自分の体調と重ねあわせて、気をもんでしまいます。
私、声が大きいので、立ったままでも大丈夫ですよ~。そんな一声も、かけたくなってしまうのです。
(写真は、首都ハバナ中心街にある、バー&レストラン、エル・フロリディータ。キューバに住んでいたことがある、文豪ヘミングウェイがお気に入りだった場所として知られる。2015年)