![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61819852/rectangle_large_type_2_5b9f06f7f4b5a5da71d8cf8bff2da810.jpg?width=1200)
移動に時間がかかっても、イライラしなかったキューバの友人
あっ日曜日だ! あわてて外に出た、友人と私。そのとき、ハバナの中心部近くに滞在していました。
いざ、「アフロキューバン」の音楽イベントへ!
タクシーに10分も乗れば、会場の「カジェホン・デ・ハメル」に着き、「ルンバ」とよばれる音楽とダンスのイベントに間に合うはず。
すると、あら偶然! 夕方に会う約束をしていた、キューバ人女性の友人とボーイフレンドが、目の前にいるではありませんか。
キューバ人の友人は、デートがてら、早めに着いて、あたりを歩いていたようです。
「これからルンバのイベントに行く」と伝えると、「彼が場所を知っているので、一緒に行こう!」と言ってくれました。心強い!
彼女が、乗り合いタクシーをとめてくれたので、みんなで乗り込みました。
キューバは観光客向けのタクシーと、現地の人の乗り合いタクシーと2種類にわかれています。
前者はエアコンもきいている「モダンな」車で値段も高め。後者は、キューバ革命(1959年)より前から走っているクラシックカーが多くを占めます。
さて、私たちは静かな住宅街でタクシーを降りました。
しかし、そこはまだ目的地ではありませんでした。
はっと気が付いたのですが、観光客タクシーが目的地まで走るのに対して、乗り合いタクシーは決まったルートで客を乗せたり降ろしたりします。
次のタクシーに乗るために、ひたすら歩く私たち。いつの間にか、彼女のボーイフレンドは「ではここで、アディオス(さようなら)」と、いなくなってしまいました。
次のタクシーを待ちながら、時は刻刻と過ぎていきました。
ようやく会場につくと、演奏はあと1~2曲で終了というタイミングでした。
「ルンバ」の雰囲気は味わったし、彼女とも会えたし、イベントもまた機会があるので、まあよかった。
とはいえ、タクシーを待つ時の不安と、乗り継ぎで歩いた距離の果てしなさが印象に残りました。
移動に時間がかかっても、キューバの人たちはストレスにならないのかな。
さて、ところ変わって日本。
このキューバ旅行から少しあとに、私は都会から離れた、のどかな街に引っ越しをしました。
ローカルな電車は1本逃すとなかなか来ないし、都心まで電車を乗り継ぎます。
それまで、交通の便がよいところに住んでいたにもかかわらず、いつも時間ギリギリか、遅れがちだった私。
案の定、大丈夫ではありませんでした。
しばらくは、時間に余裕をもって移動することに、全力を注ぎました。
すると、出発時間のみならず、生活スタイルまで変わってしまいました。
予定をつめすぎない。体力を使い果たさない。なぜなら、移動中に具合が悪くなって、引き返したことがあるからです。
そんな生活にも慣れてきたころ、あることに気が付きました。
目的地にはやく着くのは、すがすがしい、ということに。
かつて電車がつまるとイライラしたり、待ち合わせに遅れそうで身の置き所がなくなったり、出口を間違えてあわてたり。時間を勘違いしてタクシーに飛び乗ったこともありました。
便利なときには大きかったストレスが、不便になって解消した。私にとっては、意外な発見でした。
時間だって、備えあれば憂いなし。
待つのも歩くのもいとわず、よろこんで案内してくれた、キューバの友人のホスピタリティをありがたく思い出します。
いいなと思ったら応援しよう!
![斉藤真紀子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/108571504/profile_821108711cd8dfdfdc38e3fe513c4f59.jpg?width=600&crop=1:1,smart)