オンラインレッスンのススメ
はじめまして吉原麻生(よしはら まき)です。
東京都内でピアノ教室を主宰しています。
指導歴は30ン年くらいでしょうか。
ずっと自宅などで教室をやりながらピアニストの先生方のマスタークラス・公開レッスンを主催してピアノを学ぶ皆様とピアノを教える皆様に勉強の場を提供してきました。
さて、世界中でいったん減ったかと思われた新型コロナウィルス感染者数も再び増加し始め、新型コロナウィルスを克服するのは大変なのだと改めて思わざると得ないこの頃です。
そんな中ですが、私は2020年の4月より全てのレッスンをオンラインに切り替えました。
我が家は感染症指定病院に近く、私も経過観察で定期的に通院していて少しずつ院内の雰囲気が今までと変わってきたのを感じていましたし、TwitterやFacebookで海外での様子を見るにつけ楽観的な判断はできないと思ったからでした。
そしてピアノのレッスンは
・ピアノの前で密になる
・防音室は換気が難しい/換気するとピアノのコンディションが保てない
・歌うなど飛沫が発生しやすい
とコロナ禍に今まで通りのスタイルを続けるのが困難に思えるような条件が揃っているのです。
そして、その中で必須と言われているマスクとフェイスシールドを装着してピアノを弾くのはなかなか難しく、2月の半ばの頃にマスク必須でレッスンしてみましたが、生徒さんたちは苦しそうで、特に小さい生徒さんたちはマスクがズレてしまうなどでスムーズにレッスンをするのは大変だと思いました。
状況を鑑み2月の最終週と3月前半はレッスンをお休みにしてオンラインレッスンを研究し、3月末〜4月第1週を移行期として全員のレッスンをオンラインレッスンに移行しました。
(3月半ばには教室の行事があったのですがそれは別の機会に書きます)
コロナの感染抑止とピアノレッスンが馴染まないので、コロナ禍が去るまでオンラインレッスンを続けるつもりです。
私の教室の目標は【コロナ禍が去った後にお教室の皆が笑顔でピアノを弾いている事】ですので。
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そんなオンラインレッスンで生徒さんたちは順調に成長してくれています。
当初の想像では伝えたいことの70%くらい伝えられればいい方かな…と思っていたのですが、実際には今までのレッスンで上手く伝えられなかった事が伝わって改善されたり、基本的な能力がUPしたように見える生徒さんもいます。
とても不思議だったので色々と考えているところです。
そして思い当たることがいくつかありました。
それは…
1つにはリアルのピアノのレッスンでは絶対に不可能だった【先生も生徒も自分の楽器でレッスンを受ける】がオンラインレッスンでは可能になるからではないかと思います。
ピアノ以外のレッスンでは当たり前の自分の楽器でレッスンを受けることがオンラインレッスンではピアノでも可能になるのです。
自分の楽器は音楽的な土台になるものですから、それでレッスンが受けられるというのは大きいのではないでしょうか。
また生徒さんがどんな楽器でどのような環境で練習しているのか、今までは知らないのが当然でしたが、オンラインレッスンではそれがわかるので、自然とそれに合わせた練習ができて練習の質も上がっているのかもしれません。
コロナ禍が去ってもお家での環境に合った練習を提案するためにオンラインレッスンを時々するのはありだと思いました。
今まで環境を考慮せずにちょっとやりづらい練習を提案していた可能性があったのは私にとっての大きな気づきでした。
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もちろんオンラインレッスンでは難しい事もありますが、それらのいくつかは工夫次第で解決の糸口が見えそうです。
Youtubeを使ったお手本動画などの配信(といっても該当生徒さん向けですが)、今までも行っていたレッスンノートの画像を送り練習方法を具体的に指導する事、楽譜の注意書きなどのファイルの送付などのフォローは、生徒さんの練習の質を上げるのに非常に有効と感じています。
コロナ禍の中、今までのような活動はできませんが、生徒さんたちも活動を制限されてピアノの前に向かう時間と心の余裕は増しています。
一方、今まで一般的でなかったオンラインレッスンに不安を感じてピアノレッスンをやめてしまうお子さんも多いようです。
先生方の中にも不安で踏み出せない方もいらっしゃることでしょう。
でも、コロナのせいで貴重な時間をピアノから離れて過ごしてしまうのは勿体ない。
オンラインレッスンは決して対面レッスンの代わりに仕方なくやるものではなく、生徒さんが成長できるレッスンの新しいオプションであることを多くの方に知っていただきたいと思います。
そしてコロナ禍のあとでもレッスンの一つのオプションとして続いていくだけの価値があるのではないかと思います。