首里劇場で学んだ映画の作り方
映画を始めたころは、まじめに絵コンテを描いていた。脚本を元に撮影の構想を練り、スタッフがそれを見れば何をすればわかるようにと、細かい指示を書き込む。つまり撮影前に頭の中で映像を作り上げて、形にしていくわけだ。大学の映研時代から商業デビュー作の『パイナップルツアーズ』までは、それが映画の造り方だと思っていた。その確信に揺らぎが出たのは『パイナップルツアーズ』の完成後だった。
『パイナップルツアーズ』では、クレーンやレールなどの特殊機材を初めて使った。そういう機材を使って映画を