記事紹介~能登半島地震とWOTA~

今回はForbesの記事の紹介と感想について記載しようと思います。

1.記事の概要


記事では、能登半島地震時の災害復旧時に活躍した、小規模分散型水循環システムを提供していたWOTAという会社について取り上げられています。
「小規模分散型水循環システム」はひと言で表現すると、一度利用した水をその場で循環、再生することができる仕組みのことを指しています。
日本国内で主流となっている水の再利用のプロセスは以下のようになっています。まず、一度利用した水(排水)を下水道に集めます。次に大規模な貯水地や電気設備を必要とする下水処理施設で集中的に浄化処理します。そして浄化処理した水を河川や海洋に放流します。河川や海洋に放流した水は循環したのち、普段私たちが利用している水道水の原水として利用されます。

WOTA社は、新しい技術である紫外線照射技術や膜処理を用いたプロダクトを用いることで、上記の水の循環を小型化しています。

WOTA社と災害との関係はというと、災害等が発生すると下水道の管路が壊れるため、集水等ができず下水処理のサイクルが生まれません。しかしWOTA社のプロダクトを用いることによって下水道等の既存のインフラが機能していない状況でもWOTA BOXさえあれば水を供給することが可能になります。(飲料水は供給できず、あくまで現在は手洗い等の水に留まっています)

WOTA社は災害時の備えとして、プロダクトの量産化を目指しています。一方で各会社が個別開発をしているとスピーディーな導入ができないという課題があり、それをオープンソース化(ソフトウェアのソースコードを無償で一般公開すること)することにより各企業による量産化を実現したいと記事の中で説明されています。

2.感想

オープンソース化することはすなわち、ソフトウェアのコードというアセットを手放すことになり従来のプロダクトを売るというモデルから異なるビジネスモデルに転換していくことが予想されます。
コードをオープンソース化した場合、WOTA社の会社としての存在価値は先行企業としての強みであるプロダクトの地域社会への導入や維持運用いうところになってくるのではないでしょうか。メーカーから導入コンサルやメンテナンス会社としての側面が強くなっていくのではないかと思いました。