祖父とキャラメル:朝井リョウさんまで263日
わたしは朝井リョウさんのファンなのだが
未だかつてここまで狂気的なことをしたファンがいるだろうか?
それは
朝井リョウさんと同じ条件で小説を書く。
キモいよね。
おこがましいよね。
狂ってるよね。
でも、この本を読み始めて
やってみたくなったのである。
発注いただきました/朝井リョウ
この本は
朝井さんが企業から依頼されたテーマとともに
そのテーマで書いた小説が掲載されている。
次の日も書いた ▼
祖父とキャラメル
祖父母の家の食器棚には
いつも森永ミルクキャラメルが置いてあった。
「一体誰が好きなんだろう」。
と小学生のころ不思議であった。
そして、
「わたしたち孫のためなのかな」
「一個、もらっちゃお」
と、わたしはちゃっかりキャラメルをもらっていた。
中学生の頃、母が森永ミルクキャラメルを買っていた。
森永製菓さんには恐縮だが、普段、我が家にはない。
「これ、一体誰のキャラメルなの?」
聞いてみた。
「おじいちゃんが好きなんだよ」
知らなかった。
確かにこの商品はロングセラーだし、
昭和1ケタ生まれの祖父には
最近のお菓子より馴染みがあるのかもしれないと思った。
大学生になっても、祖父母の家の食器棚には
いつも森永ミルクキャラメルが置いてあった。
その頃から、祖父は認知症の症状が出るようになっていた。でも、母がたまに森永ミルクキャラメルを買っていた。
それを見てわたしは
「三つ子の魂百まで とも言うし
昔から好きなものは認知症になっても好きなんだな」
と思った。
わたしはまだちゃっかりキャラメルをもらっていた。
わたしは社会人になり、結婚した。
祖父母の家の食器棚には
いまだ森永ミルクキャラメルが置いてあった。
わたしはもうちゃっかりキャラメルをもらわなくなった。
認知症というのは身体が健康ならゆっくり進むようだ。
大学生の頃に祖父が認知症と聞いたときは、
もうすぐ会話ができなくなるのかと身構えたが、
まだ言葉で意志は伝えられていた。
数年して、祖父母の家の食器棚の森永ミルクキャラメルはなくなった。
それは誤飲するのを予防するために、
祖父は森永ミルクキャラメルを食べられなくなったからだ。
そして、祖父は家族に見守られながら亡くなった。
わたしは祖父母の家に行くたびに
祖父と森永ミルクキャラメルをなんとなく探してしまう。
今日のテーマ
森永ミルクキャラメル
人間を主人公としたキャラメルが登場する小説
247×3話
※素人なので、文字数の制限としました。
※素人なので、小説というよりノンフィクションとなっています。
小説のようなものを
人生で初めて書きましたが
いかがだったでしょうか?
・・
今日は「祖父とキャラメル」のお話。
明日もお楽しみに!
小声:
スキ♡を押してもらえると嬉しい!
反応があると明日も続けられそう!
・・・・
おすすめ!!朝井リョウさんエッセイ3部作
風と共にゆとりぬ (文春文庫)
人生を変えた一冊(と朝井さんに言いたい)一冊
時をかけるゆとり
そして誰もゆとらなくなった(最新エッセイ)