地域創生の師、月尾嘉男
先日、総務省「ふるさとづくり大賞」の選考委員長を長年務められた東京大学名誉教授の月尾嘉男先生(81歳)と久しぶりにお会いしました。
月尾先生は地域創生研究の第一人者であると同時に、日本におけるITの草分け的存在です。小泉内閣の時に行われた官民人事交流で、総務省に新設された事務次官級のポスト「総務審議官」に東大教授から転身されました。
「3年はやってほしい」と当時の自民党幹部から頼まれていたものの、役所仕事は性に合わず、わずか1年で退官。東大教授に戻るも定年前に早期退職。その後は冒険家になるという誰も予想できない道を歩かれました。
大航海時代から「帆船乗りの墓場」と呼ばれ、常に強風と高波が吹き荒れる南アメリカ最南端のケープホーン岬(チリ)。そんな難所をカヌーで単身漕破されました。62歳のことです。
その後も世界中の先住民族を取材し、TV番組を独自に制作されたり、テレビ朝日「報道ステーション」のコメンテーターを務められました。TBSラジオのコメンテーターとしてもファンが多いです。
文化人として知られる一方、凸版印刷やパナソニックの顧問、セブン&アイ・ホールディングスの社外取締役など日本を代表する企業で経営者の指南役になられました。御用学者とは真逆で、歯に衣着せぬ発言が重宝されたように思います。
誰にでも公平に接する気さくな人柄で全国で地域活性化のための私塾を開かれ、多くの地域リーダーを育てられました。
私は15年前に月尾先生が企画されたあるプロジェクトに関わるようになり、その縁でふるさとづくり大賞の取材についてもご指導をいただいてきました。
実は私が制作した動画に出演していただいたことも何度かあります。一緒に全国を旅しました。以下の作品は一例です。
恥ずかしながら…私はいまでも月尾先生から礼儀作法や言葉の使い方で注意を受けることがあります。まさに人生の先生と呼べる存在です。