外国から注目を集める日本の地域創生ベスト3
私は3年くらい前からJICA(国際協力機構)が主催する開発途上国向けの地域振興研修の講師やコメンテーターを何度か務めています。
これまでにアジア、中南米、北アフリカで地域振興に関わる行政官など数百名の方々にリアルやオンラインでお話をさせていただきました。
外国の方が日本の地域創生をどのように見ているのか。あまり知る機会が無いと思いますので、研修生の皆さんが特に興味を持たれた事例ベスト3をご紹介します。ランキングはあくまで私の印象です。
第3位 一村一品
え、「一村一品」ってなに?若い人の多くはそう思うのではないでしょうか。一村一品とは1980年代に大分県の全市町村で始まった地域振興のプロジェクトです。
一言でいえば、地域の伝統的な資源や技術を活用して、一つの市町村ごとに一つ以上の新たな特産品を作ることを目的とした村おこしです。地域ブランディングのはしりと言えるかもしれません、
日本ではすっかり浸透した考えです。今となれば言葉に古ささえ感じます。JICAは一村一品をOVOP(One Village One Product movement)として開発途上国で普及に取り組んでいます。
第2位 アンテナショップ
アンテナショップを導入しようと取り組んでいる国は東南アジア、韓国、中国、アメリカなど少なくありません。多くの方が東京のアンテナショップに視察に来ています。ただ、日本のように成功している国はまだないようで、それは国民性の違いが理由かもしれません。(「秘密のケンミンショー」という人気番組がありますが、あのように地元自慢を楽しむような発想が外国にはあまりないようです。だから盛り上がらないのかもしれません)
第1位 道の駅
日本で大成功した道の駅は海外でも有名で、Michi-no-Ekiで通じる国があります。JICAが普及に力を入れています。ベトナム、タイ、インドネシアではすでに道の駅が作られています。
単なる販売所にとどまらず、道路利用者にとっては休憩の場であり情報収集の場でもあります。地元住民にとっては、交流の場であり、防災・災害避難の場でもあります。道の駅は多機能であることがポイントです。しかもどの道の駅も地域ならではの特長があります。海外に類似したものはなく、日本が生み出した誇るべき地域活性化の仕組みであると思います。
実際、各国の研修生の方からは「道の駅でイベントを開く場合の集客方法」や「道の駅での商品の値段設定」などかなり具体的な質問が出て、道の駅への関心の高さがうかがえました、
長年にわたり、日本は東京一極集中が課題になっていますが、実は開発途上国の多くも同じような状況です。かつての日本の「出稼ぎ」と同じ現象が起きて、地域が衰退しています。若者が田舎に残るためには、働ける場、魅力的な産業を生み出す必要があります。
世界一高齢化が進んでいる日本は、どの国よりも切実に地域創生に取り組んでいます。日本の地域創生を世界にPRすることで、国際社会での日本の存在感を高められたらいいですね。微力ながらその一助になりたいと思います。
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