地域の宝「地歌舞伎」(福島県桧枝岐村)
みなさんは「地歌舞伎」という言葉をご存知でしょうか?
埼玉の郊外に生まれ育った私は今の仕事に就くまでは知りませんでした。
地歌舞伎とは地元の素人役者によって演じられる、地域に根付いた歌舞伎のことを言います。
身分制度が厳しい江戸時代、普段着ることができない衣装を着て、武士や姫にもなることができるのは芝居とはいえ、当時の庶民にとっては大きな喜びでした。
江戸や上方で盛んだった歌舞伎は地方を巡る旅役者によって全国各地にひろがります。
各地で芝居小屋や神社の境内に舞台が建てられ、お祭りと連動して芝居が行われるようになります。現在、全国におよそ200の地歌舞伎保存団体が存在します。地歌舞伎は地域の宝と言える芸能です。
今回紹介するのは、福島県桧枝岐村(ひのえまたむら)の歌舞伎一座「千葉之屋花駒座(ちばのや・はなこまざ)」です。
桧枝岐村歌舞伎は270年以上の歴史があります。また、「一座」を名のる地歌舞伎団体は全国的に見てもとても珍しいです。
私が動画取材したのは5年前。千葉之屋花駒座が総務省の「ふるさとづくり大賞」を受賞されたことがきっかけです。
ちょっと信じられないかもしれませんが、定期公演の日は1年前から予約しないと旅館が取れないほどの人気なのです。
歌舞伎の舞台は神社なのですが、夜とても冷え込んで撮影中にトイレに行きたくて仕方なかったことを覚えています。いつも撮影は一人で行っていますので、代わってもらう人はいません。ただただ我慢しました(苦笑)
そういう意味でも、とても苦労して制作した動画です(涙)。ぜひ、ご覧ください。
【おまけ・檜枝岐村の面白いところ】
ほとんどの家の屋根が赤い
住民の名字が、星、橘、平野だけ(基本的に)。
東北なのに、東北訛りがない。