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「カクテル」〜心に残る短編小説・朗読〜
短い朗読YouTube、172回目は「カクテル」です。
前に雑誌に掲載したものをアレンジした作品です。タイトルと舞台背景は同じですが、人物も内容も大幅に変えました。
拙著『童話を書こう! 完全版』でもとりあげていますが、私はイギリスの作家ジェフリー・アーチャーの「焼き加減はお好みで…」という短篇小説が好きです。
同作については3年前、稲垣吾郎さんの舞台と映画の感想『LIFE LIFE LIFE』&『半世界』のところでもちょっとふれました。
「焼き加減はお好みで…」は、こんな話です。
街角で美女を見そめたマイケルが、彼女を追って劇場に入り、話すきっかけを得ます。
彼が美女を夕食に誘うところまでこぎつけた場面で、小説はいったん中断。
そのあとに、作者のこんなメッセージが記されています。
「読者はこの時点で物語の結末のうちから好きなものを選んでください」
アーチャーはなんと、四つの「続き」を書き上げているのです。
もし、四つ全部を読む場合は、次の順番に従って読んでほしいとも書いてあります。
①レア
②バーント(黒焦げ)
③オーヴァーダン(焼きすぎ)
④ア・ポワン(ミディアム)
まさに、いろいろな焼き加減、ジューッ。
人物の設定、展開のさせ方、そしてもちろん、ラストもそれぞれ違います。
物語って、ラストによって印象ががらりと変わってきますよね。
ハッピーエンド、バッドエンド、メリーバッドエンド…。
自分の人生は一回きりで、タイムマシンでもなければ過去にはもどれませんが、作品のなかの登場人物たちは如何様にもできますし、いくらでも生き直しが可能なので、創作って、無限だなあ、楽しいなあ~と思います。