【06 July】 LGBTイベントでの実感。
「土曜日にゲイパレードがあるよ。いろんなイベントもあって面白いと思うよ」
いまフラットに滞在中のGarretがふとこのイベントを勧めてくれた。「PRIDE」と呼ばれるこのパレードは世界各国、もちろん日本でも開催されていて、なんとなくその存在は知っていたものの詳しくは分からないし実際に目にしたこともなかった。
Webサイトによるとパレード以外にも写真展とかライブショーとか、ロンドン中でたくさんの催しが開かれる模様。至るところにレインボーが掲げられ、なかなかのビッグイベントだ。私はPRIDEについての写真展示とドラッグクィーンたちの野外ライブを観に行くことにした。写真展の場所はオーストラリア大使館、ライブはナショナルシアターの敷地内。メインのパレードはロンドンのど真ん中を縦断するように行われ、企業や公の施設も巻き込んで、街全体で盛り上げているのがわかる。
PRIDEの歴史を写真で見ていて、これが60年代後期から始まったムーブメントだと知る。当時の様子から近況までを目にすることで、なんとなく知っていたこのイベントがきちんと掴めた感じ。ライブ会場はというと昼から深夜までいろんなパフォーマーが登場し、観客を沸かせている。最初は遠巻きに眺めていたけど、ふと観客の中に混じってみたくなった。ステージにほど近い場所に突入してみると、みんな楽しそうに飲んで歌って踊って、パフォーマーとハグして。
なんだかすごくハッピーな空間だなぁと感じた。LGBTだとかそうでないとか、そういう括りがなくて、その場にいる全員が楽しんでいる。私が写真を撮っていると、後ろにいた女性が「いい写真ね!」とワインを勧めてきたり、前にいる男性はレインボーのフェイスペイントを周囲の人に施していたり。そこにいることでとても明るいエネルギーをもらえるような。
で、思った。
LGBTへの差別をなくそうとか、権利を認めようとか、そういう言葉での働きかけももちろん大事なんだけど、こうしてみんなで場を共有することが何より理解を深めるために効果的なんじゃないかな。いろんな人が一緒に楽しめる場があって、「こういう生き方の人がいるんだな」と体感することが偏見や境界をなくすためのいちばんの近道なのではと。
そしてこれはLGBTに限ってのことじゃなくて、人種とか信仰とか肩書きとかいろんなことに言えるよね。頭で考えるよりも、見て話して触れ合うこと。ジェンダーも生き方も思想もどんどん多様化しているからこそ、こういう機会がたくさん設けられるといい。
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