オマケ。
気づいたら、クリスマス。
スーパーもショッピングモールも見ていて、一番ワクワクする季節だ。
クリスマスを過ぎても新年一色になるけれど、クリスマス前の華やかさとはちょっと違う気がする。
今日、お昼に久しぶりにケンタッキーを食べた。
ショッピングモールの一角で、この時期は一年で一番忙しいのだろうな、と予約中!と書かれたポスターを眺めながら並んで待っていた。
ここ数年は付き合いもあってケンタッキー頼むこともなくなったけれど、そういえば小さい頃は親がよく頼んでくれた。
ケンタッキーのクリスマスというと私には苦い思い出がある。
小学校三年頃だったろうか・・。その年のクリスマスも母がケンタッキーのパーティーバーレルを頼んでくれていたので、受け取りにいった。その時に特典のオマケとして、白い磁器製のベルが入っていた。
帰宅後、母が台所で夕飯の用意をしていた時だった。
こたつでテレビを観ていた私は一人で暇だったので、そのベルを鳴らしたりして遊んでいた。
ひとしきり遊んで、飽きた。
ふと、ベルの縁に口をつけてみた。ひんやりして面白い。
持ち手を引っ張ろうとすると、中が空洞なのでちょっと遅れてペタンと音がして、口元から外れる。ペタンペタン。そうやって変な遊び方を見つけて楽しんでいた。
何度目のペタンだったろうか・・。
私の口元からいきなり、外れなくなったのだ。
持ち手を思いっきり引っ張ると、口までベルに吸い取られるんじゃないかというくらい、ベルが外れなくなった。
と次の瞬間、ペッタン!と勢いよくとれた。
ああ・・良かった、と思ったのも束の間。
鏡を見ると、私の口の周りは泥棒のように円が描かれていた。
そう。ベルで口元を鬱血させたのだ。
私は、恐る恐る母を呼んだ。
予想通り、大爆笑だった。
悲しいけど、そんな遊びをしていた自分が悪いし、母も「バカだねぇ」と言った。本当に自分でもそう思う。
結局、年越しまでその状態で過ごした。
今もクリスマスにケンタッキーのポスターを見ると、あのときなんで私は、あんな遊びを思いついたんだろうと自分のしょうもなさに愕然とする。
そしてその、しょうもなさは30年経っても相変わらず健在なのだ。