食べる、ということ。

先日、子供とフードコートでお昼にハンバーガーを食べた。
パーテーション越しに子供が、美味しい!という意味で親指をグッと立ててサムズアップのポーズをしてきたので、私も真似して子供に伝えた。

と同時に、あぁ・・この子たちはこれがもう日常なんだな、と思った。
コロナ対策で当たり前になったこの景色も、数年前まではなかった。
給食も班になっておしゃべりしながら食べると機会も未だないんだな、と思う。

私は食べることが好きだ。
その昔祖母が有名な占い師がいるというので、私のことをみてもらったら「食べるのが好きな子ですね、食道楽です」と言われたのを覚えていて、それが何よりも当たっていた。他の情報は聞いてきたけど忘れたのか、全く得られなかったのか謎のまま、私が食道楽という事実だけが家族中に再認識されただけであった、ということがある。

美味しいものを美味しいねといって誰かと食べるのも好きだし、たまに一人でのんびり美味しいものを食べるのも好きだ。
色んなシチュエーションで美味しいが食べ物にはある。

幼稚園の時、とても楽しみにしていた遠足があった。
その日、朝起きて台所に行くと、母が弾んだ声で「お弁当作ったよ」と嬉しそうにしているのを見て、私は困っていた。
その日朝起きてからずっと頭が痛かったのだ。
遠足を休むというのをなかなか言い出せずにいたら、母が調子の悪そうな私をみて気づいた。体温を計ったら熱があった。
遠足は当然ながら休み。母はとても残念そうに「仕方ないね、今度家族でいこうね」と言ってくれたのを覚えている。

今思うとあれは母もガッカリしたのかもしれない、と思う。
母はお弁当を作るのをとても楽しみにしていたからだ。

結局そのお弁当を家でお昼に食べた。
実際、遠足なんてそのあと何度となくあったけれど、後日遠足で行くはずだった場所にも家族でいったけれど、母と悲しい思いをしながら、家で食べたお弁当の記憶のが鮮明なのだ。

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