金木犀の香りに想いを馳せる
本日のお題:好きな香りとその理由
私が好きな香り、それは金木犀の香りだ。
秋になると、どこからともなく漂ってくる甘くて優しいその香りは、まるで過去の思い出をそっと包み込んでくれるような気がする。
実家の庭にも金木犀が植えられていて、子どもの頃から慣れ親しんだその香りは、今でも私の中に深く残っている。
以前住んでいたアパートの下にも金木犀があって、娘と一緒に楽しんでいた光景が、今でも記憶に鮮やかだ。
金木犀は決して派手な花ではない。
小さなオレンジ色の花がひっそりと咲くけれど、その香りは驚くほど遠くまで届く。
会社員として忙しい日々に追われていた時、この香りを感じると、ふと足を止めて深呼吸していた。
短い秋の間だけ楽しめるこの香りが、季節の移ろいをそっと教えてくれる。
そんな金木犀の香りを恋しく思っていた今朝、息子を自転車に乗せて走っていると、ふわりと甘い香りが風に乗って届いた。
やっと秋が来た。
そして、冬がゆっくりと近づいている。
そんな少しの寂しさを感じつつも、懐かしい香りに心が温かく包まれた。