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【セルフライナーノーツ】#08. 踏切【Re:Lease】
[前記事]
#00.はじめに
#01. Re:Structure
#02. 暁スリーパー
#03. ごめんあそばせ
#04. Stay Smile
#05. さよならホメオスタシス
#06. 箸休め
#07. 優しい言葉
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【クレジット&歌詞】
作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音
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【楽曲解説】
アコースティックな手触り、しかし意外と壮大なゆったりポップバラード。音源としての初出は2022年3月リリースの「Prototype 1.0 Re:Structure」、ライブ初披露は2021年2月の配信ライブ。なのでアルバム曲の中では結構古株です。
元気で明るい、覚えやすく歌いやすい、みたいな曲を書く比率が上がってた中、「しっかり歌い込める曲がほしい」という相方の要望に応えるべく制作を始めたのがきっかけだったように思います。短く印象的なフレーズの連打ではなく、曲全体を通して丁寧に編み上げたメロディと歌で勝負する曲。ショート動画隆盛の昨今ではメロディも構成もどんどん短くなってるもんなあ。流行りも素敵なものだけど、そこではない大事にしたい要素も守っていかねば。
年が明けたばかりの寒い時期、思いのままに散歩ばかりしてた時期があります。歩きでも車移動でもそうなんですが、同じ道ばかり通るのがあんまり好きじゃなくてしばしばルートを変える性癖が小田にはあります。
ある日の夕暮れ時、とある駅に隣接した踏切に差し掛かった。警笛が鳴って遮断機が降りて、マスクで顔が隠れた人を乗せた電車が通り過ぎる。やがて遮断機は上がり、向こう側から来る顔の分からない人たちとすれ違いながら踏切を渡る。誰と会話するでもなく、自分は歩き続ける。
その時の「踏切を渡る」を長ったらしく書くとこうなんですが、”注意を促す”ためにわざと不安な印象を与える警笛の音(半音でぶつけるからそう感じる)、マスクで顔を覆った人たち、縦断する人と横断する電車、からこのストーリーが生まれました。
どこにいても独りを感じる当時の状況を含めた寂しさと、交差するものと並行するものの存在。そこから展開して、出会えて良かったと思える人との繋がりと、どうしても分かり合えない人の存在。昔から八方美人というか、「好きじゃなくていいから嫌いにはならないで」という思考で生きてきたんですが、さすがにこの歳になってくるとどうしても好きになれない、好きになってもらえない人が一定数いることは悟ってしまうものです。そこは受け入れつつ、受け入れられない人の不幸は願わない、幸せを願える自分でありたいという願いをこめて綴ったつもりです。人って難しいね。
誰もが笑ったり泣いたり、喜んだり悲しんだりしながら同じ時間を生きている。願わくば、自分も誰かも下がることなく、下げることなく、それぞれの幸せを感じられますように。
【作詞振り返りメモ】
・「緋色」
赤色の一種でやや黄みがかった色味。火や太陽をイメージした「思ひの色」と呼ばれています。個人的には茜色の方がそういうイメージを持ってたんですが、調べてみると逆だったようで茜色のほうが暗めでややくすんだ感じだそうな。
・「赤と黒のランドセル」
今の時代だとこれで男女を表現するのは問題視されそうですが、夕方から夜にかけてのイメージを合わせてたりします。
・「君のいない人並みを越えていく」
ラブソングっぽい書き方をしてますが、実は当初それを想定して書いてはいないんです。「独り」の感じ方のひとつ、ということで。
・「隣の家に明かりが灯る」
一瞬自分でも「帰る家を間違えたんか?」と思いましたが、笑 これも「帰っても独り」の感じ方のひとつ。こういう絶妙なタイミングのあれこれってありますよね。
【作編曲メモ】
・踏切の警笛
本家は”F-F#”の半音でぶつけた鐘の音です。「電車がくるぞ、気をつけろ!」という注意喚起の音なので不安な印象をあえて作ってるのが踏切の音。この曲ではその意図はないので、2音の音量バランスを調整して不快にならないようにしてます。テンポもゆっくり。
・間奏の転調
2コーラス目はサビにいかずに間奏を挟み、その間奏では転調して帰ってくる展開は過去作「最後の嘘」「じゃあ、またね」の系譜です。アップテンポな曲でもちょいちょい採用している展開なので、探してみてください。
・落ち3Aからの半音上げラスサビ
ここは「もうひと味ほしい」という相方からのアイデア。このおかげで最後まで展開が退屈せずに進んだと思います。こういうのがあるから”編曲:万貴音”なのだ。
【シングル版との違い】
・ドラムのパーツをバラして再ミックス
・ピアノ音源差し替え
・アコースティックギターがL→Rへ移動
・小田ボーカルリテイク
実は意外とリテイクの多いのがこの曲。曲としてはある程度まとまっていたので、この工程は入稿ギリギリのタイミングでやりました。おかげでスケジュールがカツカツになったけど、今でもやって良かったと思ってます。
次回は#09.「Re:Bound」のライナーノーツです。万貴音史上初、楽器のプレイヤーを招致してアルバム版に転生させた意欲作。お楽しみに。
ではまた。
万貴音 小田貴音
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[Subscription]
・アルバム「Smile Co.」
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・シングル「クローバー」
https://linkco.re/07fFrAb9
・アルバム「ノーマライズ」
https://linkco.re/350NZmQx
・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
https://linkco.re/b39081qC
・シングル「にらめっこ」
https://linkco.re/a4ey4Q58
・アルバム「Re:Lease」
https://linkco.re/p0mpAhd5
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