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【セルフライナーノーツ】#10. Re:Lease【Re:Lease】
[前記事]
#00.はじめに
#01. Re:Structure
#02. 暁スリーパー
#03. ごめんあそばせ
#04. Stay Smile
#05. さよならホメオスタシス
#06. 箸休め
#07. 優しい言葉
#08. 踏切
#09. Re:Bound
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【クレジット&歌詞】
作詞:小田貴音 作曲:小田貴音 編曲:万貴音
![](https://assets.st-note.com/img/1730041969-CBkObXmxsySojUJp8lHhqKe7.png?width=1200)
【楽曲解説】
万貴音3rdアルバム「Re:Lease」用に書き下ろしたタイトル曲。タイトルは早い段階から決まっていたんですが、メロディと歌詞が完成したのが7月中旬だったので、本当にギリギリのタイミングで生み落とされた楽曲です。我ながら今回もなんて危ない橋を渡ったんだ、と。苦笑
「新型コロナウイルス」という謎の脅威に触れたのが2020年1月、翌2月にライブハウスをはじめとした対面イベントの制限がはじまり、さらに3月には緊急事態宣言が発出されました。その影響はあまりにも期間が長く、生まれてこの方体験したことのない日々を送ることになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1730044830-zNk3FvrCZJn8fhQHGxuV0wsR.jpg?width=1200)
一縷の期待を込めてブッキングしたライブも幻に。無意識的にではありますが、このタイミングが「Re:Lease」という楽曲の根っこになったんじゃないかと思います。今でもどちらかというと作る仕事のほうが多い小田ですが、自分で思ったよりもずっと”ライブ”を愛してたんだと改めて気付く。
さて、「Re:Structure」で歩き始めた物語の最終回として書いたのがこの「Re:Lease」という楽曲です。つまりアンサーソングではなく、同じテーマを持つ2曲という立ち位置。トンネルの入口と出口(付近)、がイメージとして近いかもしれません。また映画やマンガではなるべくハッピーエンド希望の人間な小田ですが、これは「結果どうなったか」の手前で筆を置いているという。人生、まだまだ続きますからね。
アルバムリリース日にバンドでワンマンライブを、ということも既に決めていたので、その面は楽曲の歌詞やアレンジにも強く反映されています。CDを出したかったのももちろんですが、それより強かったのは「万貴音の今の音楽で、大勢で音を出して、あなたに”また”そこで会いたい」という気持ち。
無事、辿り着けて本当に良かった。
元の世界に巻き戻る(Re:Verse)わけはなく、苦しかった時間も全部抱えて進む。自分を、世界を一つずつ再構築しながら、いつか全てを解き放てるように。これが「Re:Lease」という、世界の片隅に確かに存在した小さな物語でした。
【作詞振り返りメモ】
・「もう何度も繰り返す」「もう行かなくちゃ」
「Re:Structure」からの引用。「明日の声が」はこちらの曲では「君の声が」に変わってます。会えれば、直接声も聞けるもの。
・「溶き放つ」
誤字ではありません。時間を解凍する、みたいなイメージ。
・「ここに繋がっていた」
2023年8月25日、が”ここ”。ライブで歌った時は歌詞と状況が重なって、その臨場感に我ながら震えた。
・「会えた」「逢えた」
前者は物理的なもの、後者は感情的なもの、という書き分けのつもりです。後者の方がエモーショナルに感じはするんですが、この状況下では物理的(肉体的)な意味で「会う」という行動のなんと尊いことか。
【作編曲メモ】
・イントロのピアノリフ。
曲を通して出てくる2音の繰り返し。これは二つ目の”時計の音”として機能するものです。同じリフでもコードは変わっていき、同じことの繰り返しのように感じても時は着実に過ぎているんだよな、なんてことを感じたり。
・イントロのベースのカウンターメロディ。
「Re:Structure」のメロディ「行かなくちゃ」からの引用。ベースはメロディやハーモニーを土台として支えるのが主な役割なんですが、高音(音域全体で考えると中音域か)も美しい楽器です。生万貴音で山本優一郎さんにお願いしてなければここはベースでやらなかったと思います。
・1A'メロからテンポチェンジ。
歌詞だと「眠りから覚めたら」から。冒頭は「Re:Structure」のようにゆったりした曲だと認識させておいて、ここから一気にスピード感を出していく。基本はロックのビートなんですが、そこに昔からやってみたかったドラムンビートの要素も加えて(特に1サビ抜けの間奏部)疾走感を増強。
・サビの構成。
サビになるとメロディは高く細かく、という曲が多いように思いますが、今回は真逆でサビメロを極端にシンプルに(それこそモンパチとかロードオブメジャーぐらい)。これは一つの挑戦でした。ライブのラスト付近で歌う曲を想定して作ったので、ボーカルの細かなテクニックではなく満身創痍で魂だけで歌うイメージをずっと持っていたからです(ただし音域は容赦なく高らかに)。アレンジについても前半大きなビート(またはピアノだけ)でテンションを圧縮しておいて、そこから早いビートで解放するデザイン。
・間奏部のソロもベースで。
ここの部分もソロとして選ばれる率の低いベースに託しました。生万貴音のメンバーは全員が名手なんですが、ドラムンベース要素を入れたかった流れと、夜明け前に蠢く感情を表現できるかなと思ったのと、というイメージ。音源では打ち込みのベースにサザンアンプ系のエフェクターを噛ませて骨太に。いつかオール生演奏で録音してみたい。
・ストリングスなし。
壮大な曲では大抵ストリングスを入れるんですが、この曲ではあえて外しました。これもバンドアンサンブルでまとめたいと思ったからです。化粧して正装して部屋で夜明けを待つよりも、裸足にTシャツとジーンズで太陽に向かって走りたい。アルバム「Re:Lease」は前作「Smile Co.」よりも音づかいについてはシンプルになってます。ここを経て、これからの万貴音はどう進むだろうか。
次回は最終回、アルバムのラストに添えた#11.「シュクフクノオト」のライナーノーツ。カーテンコール的な立ち位置で、アルバムへのバースデーソングとしても機能する静謐な楽曲。どうか最後までお付き合いください。
ではまた。
万貴音 小田貴音
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[Subscription]
・アルバム「Smile Co.」
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・シングル「クローバー」
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・アルバム「ノーマライズ」
https://linkco.re/350NZmQx
・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
https://linkco.re/b39081qC
・シングル「にらめっこ」
https://linkco.re/a4ey4Q58
・アルバム「Re:Lease」
https://linkco.re/p0mpAhd5
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