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平凡な学生が、パリで大学院生になる③パスポート・タラン 後編

マニアック人文学系/語学は日本で独学と、自信はないが、
研究に対するやる気はある学生が、パリで大学院生になっている経験を活かし、情報をシェアしていきます。

今回は、パスポート・タラン(Passeport Talent)についてです。

2024−2025から、フランス政府奨学金(Bourses France Excellence Japon)を受ける博士課程(Doctorat)の学生は、この長期ビザを取ることになりました。

CAMPUS FRANCEの説明ページ

https://www.japon.campusfrance.org/ja/je-suis-doctorants-chercheurs

日本で手続きを行って出してもらう3ヶ月の「一時的なビザ」と、
フランス入国後にそのビザを延長することで「長期ビザ」を発行してもらう手続きがあります。

それぞれの手続きについて、必要書類やどのくらいから準備するのか、私の経験ベースで紹介したいと思います。

長いので前後編に分け、今回の後編ではフランスで手続きするものを書いていきます。


フランスで行う申請 「CARTE DE SÉJOUR PLURIANNUELLE, Passeport talent : Chercheur」パスポート・タランとしての複数年滞在許可証


①申請時期

入国し次第〜入国後3ヶ月以内

在フランス日本大使館の滞在許可証の説明には、「フランス入国前に在日フランス大使館などのフランス側在外公館にて、事前に長期滞在ビザを取得しなければなりません」となっていますが、

以下の必要書類のうち、証明写真については、フランスにあるPhotomanで発行される番号での登録になる上に、
私の場合追加の提出物として、フランスに入国した日のパスポートのスタンプの写真を求められました。

なので、この滞在許可証に関しては、基本的にフランス入国後にしか申請できないものになります。(他の滞在許可証は分かりません)


②必要書類 

申請はこのサイトの「Je demande ou renouvelle un titre de séjour」を選択します。

https://administration-etrangers-en-france.interieur.gouv.fr/particuliers/#/

オンライン申請なので、全てスキャンデータをとっておきましょう。

10MB以下の画像ファイル(.jpg, .png, bmp, .tiff)もしくは文書ファイル(.pdf)のみアップロード可能です。


1:1.で取った「PASS.TALENT CHERCHEUR」短期ビザのスキャンデータ

2:パスポートのスキャンデータ

3:証明写真(EPhotoの番号)

4:住居証明 Justificatif de domicile

5:ハンコ付きの受入れ協定書 Convention d’accueilのスキャンデータ(1.③「届いてからやったこと」参照)

6:修士学位以上の卒業証明書


3:EphotoはMonoprixや駅にあるPhotomanが便利。Cité Uの場合、メインの建物の中にもあります。サイズは縦45mm、横35mmで運転免許証用のePhotoを選んでおけば問題ないです。
指で署名を求められるので、私はパスポートと同じように漢字で署名しておきました。
カードで支払いをすると、写真が取り出し口に出てきます。その紙にNuméro ephotoが載っているので、その番号をこのサイトに入力すれば完了です。

4:寮に滞在証明書Attestation d’hébergementを書いてもらいました。個人のお宅の賃貸の場合は、日付と署名が入った貸主からの証明書と貸主の身分証明書Carte Nationale d’Identitéのコピーのスキャンデータが必要です。

6:卒業証明書はフランス語の法定翻訳が必要です。私は学部と修士の卒業証明書と成績証明書を全て法定翻訳依頼し、それらをスキャンデータで持っておきました。
大使館でも翻訳証明はやってくれるみたいですが、4年生大学の卒業証明はやってくれても修士の卒業証明書をやってくれそうにありません。
在仏日本大使館の紹介ページを貼っておきます。

日本語の通じる法定翻訳事務所

https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/04003.html


お世話になったのはJIC翻訳事務所です。同じ建物に兵庫県人会の事務所があり、一度迷い込みました。


③申請後

追加書類の連絡や手続きが進行した場合の連絡は、「Nouvelle notification sur votre espace usager」というタイトルのメールで送られてきます。
それが来たら、できるだけ早く返事をしたり確認したりしましょう。

私は申請をしてから1週間くらいで、追加書類の連絡が来、
追加書類を送った後3日くらいで
「(申請番号)のオンライン申請が受理されたことをお知らせします。新しい滞在許可証は現在作成中で、まもなく発行されます。」という連絡が来ました。

この通知に「ATTESTATION DE DÉCISION FAVORABLE」という文書が付いており、「カードが届くまでの間、何かの申請にはこれを使ってください」というPDFファイルがダウンロードできます。
その文書に「パスポート・タランとしての複数年滞在許可証 CARTE DE SÉJOUR PLURIANNUELLE, Passeport talent : Chercheur」という名義と、有効期限が書かれています。

申請経験のある研究者に聞いたところ、滞在許可証の有効期限は、
受入れ協定書 Convention d’accueilの「Cadre C INFORMATIONS RELATIVES À L’ACCUEIL DANS UN ETABLISSEMENT」のブロックに書かれた受け入れ期間 Durée prévue du séjourと基本的に連動しているようですが、

私はフランス入国日から計算して~年間という感じで、受け入れ期間よりも数日分だけ長くなっていました。

④受け取り

滞在許可証が出来上がると、SMSで連絡がきます。

「Votre titre de séjour [申請番号] disponible en pref. Taxe à payer: 0225 EUR. PRENDRE RDV: SITE INTERNET DE LA PREFECTURE DE POLICE/ RESSORTISSANTS ETRANGERS」

受け取りのための予約と、オンラインで税金を支払います。

1:受け取りのための予約

パリ警視庁のサイトで予約を取ります。
ただ、基本的に2ヶ月後の予約枠しか取れないので、連絡が来次第すぐに申請をした方が良いでしょう。

メールでConvocationが送られてきます。こちらを印刷して当日持参することになります

当日の持ち物は、以下です。全て印刷して持参しましょう。

①Convocation
②ATTESTATION DE DÉCISION FAVORABLE
③Timbreの支払い証明書
④パスポート

2:税金の支払い

① 財務省のサイトを開く

https://timbres.impots.gouv.fr/

② Acheter un timbre électronique のDébuter l’achatからTitre pour étrangersを選択
③ 請求金額を確認した上で金額を入力し、Valider をクリックします
④メールアドレス、または電話番号を入力し、Valider le panier をクリックし、決済画面に進む
⑤支払い後、完了画面が表示されるので、Télécharger les documentsから支払い証明書をダウンロードしておきましょう。印刷して当日持参することになります

以上が、フランスでの滞在許可の手続きになります。
いかがでしたでしょうか?

この手続きについてはあくまで2024年での情報ですので、更新される可能性があります。
わからないときはビザセクションのホームページにお問い合わせフォームがあるので、念入りに確認しておいた方が良いでしょう。


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